テクノロジーを生かしたファッションアイテムの意味。

ちょっとファッション・テックっぽい話をすると、去年はアクセサリーライクなウェアラブルアイテムがたくさん出たんです。海外にはおしゃれなものもけっこうあって、いろいろ試したんですが、最終的にはアップルウォッチひとつに落ち着きました。スマホの通知を受けられるとか、メッセージを送れるとか、いろんな機能があるけれど、ウェアラブルって、結局はデータを取るためのセンサー。ヘルス系にはすごく向いているけれど、ファッションとしてセンサーを腕に付ける必要があるのかという気がしてしまって。

アップルウォッチは何がいいかというと、単純に時計が腕にあるのが便利(笑)。時間を確認するためにポケットからスマホを取り出すと、だいたいSNSの通知なんかがきていて、脱線しちゃいがちですが、手元で時間だけをさっと確認できるのって、行動としてスマートだなと思って。腕時計の良さをアップルウォッチで知ったので、今はむしろ、普通に腕時計が欲しいです(笑)。

あとは、ソニーから出ている「FES Watch」。文字盤とベルトが一枚の電子ペーパーでできていて、柄を変えられるんです。オモチャっぽい見た目もかわいくて、腕時計というよりバングルのような感覚です。同じ素材を使って、イッセイミヤケから柄が変化するバッグも出ていますが、糸からつくるテキスタイルという考えとはまったく異なるアプローチは、やっぱり今の時代ならではの新しさだと思います。

発展途上にあるものを試してみることが楽しい。

去年くらいまではデジタルガジェットを本当にいっぱい持ち歩いていたんですけど、今はこのガジェットポーチひとつに収まる量になりました。これとPCさえあれば、どこでも仕事をすることができます。

ポケットWi-Fiにバッテリー、各種コードやUSBメモリ……。持ち物は白とシルバーの物しか買わないって決めていて。スマホはiPhone7 Plusですね。本体のデザインを壊したくないから、ケースは必要最低限。画面が大きくて割れるのが怖くて、弱気になってフィルムを貼っちゃったんですけど。ちなみに黒いものは、口紅とリップブラシ。化粧品はこれだけあればいいので、ガジェット類と一緒にポーチに入れています。

ファッションや毎日の生活にデジタルを取り入れるなら、「失敗も楽しむ」くらいの感覚でいいんじゃないかなって思います。これまでいろんな新しいガジェットやサービスを買ってみたり、使ってみたりしてきましたが「失敗した〜!」っていうこともたくさんあります。やっぱり、まだまだ発展途上のものも多いんですよね。まず使ってみて、ここはいいけどここは改善してほしい、って思ったことを、よくTwitterに書いています(笑)。

デジタルテクノロジーは、毎日の生活を拡張してくれるもの。

ファッション系のサービスでいえば、ここ1年くらい使っているのが、バッグのレンタルサービス。私、いつも黒いバッグばかり買ってしまうんですが、色物や新しいブランドのものを試したり、レンタルなら冒険できるのが楽しいなあって。自分が使ってないバッグを貸すこともできて、タンスの肥やしにならずに済みますし(笑)。

私、基本的に新しいものを試すことが大好きなんです。こういう、ライフスタイルを拡張してくれる新しいアイテムやサービスは素敵だなぁって思います。

どんなものでも、面白いと思ったら使ってみればいいし、興味がなければないでもいい。ちょっとずつ新しいものを取り入れることで、自分自身の可能性を、ほかの誰かの可能性を、ファッションの可能性さえも引き出してくれる。そのきっかけになり得るのが、デジタルテクノロジーなのかなって思っています。

TOKYOをもっと楽しみたい(新年特別講座)

デジタル時代のファッションの楽しみ方

講師:市川渚(ファッション・コンサルタント)

SPUR.JP「デジタル・スタイリッシュライフ」の連載や、“デジタル×ファッション”のウェブメディア「DiFa(ディーファ)」の立ち上げなど、ファッションとテクノロジー、デジタルを繋ぐファッション・コンサルタントとして活躍する市川渚さんに、デジタル時代のファッションをもっと自由に楽しみながら、スタイリッシュに暮らしに取り入れるヒントをうかがいます。

日時
2017年3月15日(水)19:30~21:30
会場
TRUNK(HOTEL)開業準備室
※特別講座のため、会場が通常と異なります。
参加費
無料
定員
60名(抽選)
受付期間
2017年1月26日(月)~2月27日(月)
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