2016.1.27
Report 1/3

私が追いかけたい暮らしのこと

講師:芝崎信明(&Premium編集長)、野村由芽(CINRA.NET編集者)、青柳文子(モデル・女優)

2016年1月に開催された新年特別講座は、雑誌やウェブなど、さまざまなメディアで情報発信している3名を招いての座談会形式。2016年に注目したいキーワードをもとに繰り広げたクロストークの様子を、前編・後編の2回にわたってお送りします。今回は前編、三者三様の「2016年 私が追いかけたい暮らしのこと」をどうぞ。

9つのキーワードから「2016年」を展望する

まずは自身が挙げたキーワードについて、順に解説をしてもらうことに。ちなみに、芝崎信明さんはマガジンハウスのライフスタイル誌『&Premium』の編集長、野村由芽さんは、音楽やアートなどカルチャー情報を伝えるウェブマガジン「CINRA.NET」を編集、モデル・女優の青柳文子さんも自身のカルチャーマガジン『あお』を監修しています。それぞれの特徴が反映された合計9つのキーワード。最初はまず、芝崎さんからスタート。

芝崎さんの3つのキーワード
〈整えたい〉〈サードウェーブコーヒーの次とその次〉〈プリミティブなこと〉

ちなみに、芝崎さんが編集長を務める『&premium』は「ベターライフ」がコンセプト。「整える」という言葉は、2016年3月号の特集タイトルになっています。その特集は「部屋を整える」ことがメインテーマでしたが、「もちろん体も心もつながっているので、今日はその話を……」と芝崎さん。

今、みなさんが飲んでいるコールドプレスジュースは、熱を加えず栄養を逃さないようにつくられたもの。ほかにも体にいい理由はいろいろありますが、飲む習慣が続くと、個人的な感想ですが体調が整っていくんです。体にいいから飲みたいというのはもちろんですが、「自然のものを取り入れたい」というマインドが世の中にありますよね。そのほうが精神的にも安心したり、心地よかったり。

そう、この日の講座では、参加者のみなさんには、食材にとことんこだわったというおすすめのコールドプレスジュース、ウェストハリウッド発の「デービッド オットー ジュース」が振る舞われていました(講師のみなさんも、これを飲みながらのトーク)。芝崎さんによれば、今、西海岸やニューヨークでは、コールドプレスジュースと一緒にケールのサラダを出すカフェが増えているそう。そのほか、中東の伝統食「フムス」というひよこ豆のペーストも人気を呼んでいることなどを紹介してくれました。

続いて、コーヒー好きでもある芝崎さんが教えてくれたのは「サードウェーブコーヒーの次とその次」について。サードウェーブコーヒーとは、豆をダイレクトトレードし、その豆に合った焙煎から抽出までを一貫して行うスタイルのお店のこと。最近では、コーヒーだけでなくチョコレートにも、同様の流れが広がってきているそうです。

たとえば蔵前に2月にオープンする、サンフランシスコからやってきた「ダンデライオン チョコレート」は、カカオ豆の選別から製品になるまでの工程を一貫して行う「Bean to Bar」というスタイル。西海岸やニューヨークなどではすでに普及しているけれど、東京にも増えています。ファクトリー感のある内装や、蔵前という立地も“サードウェーブっぽい”ですよね。さらにここから派生して、焙煎したカカオ豆を粉砕したチョコレートの原料「カカオニブ」にも注目しています。グラノーラに混ぜて食べたりしますが、ポリフェノールが多く、砂糖を加える前のものなので、とてもヘルシーといわれています。

カカオニブをドリップした飲み物を出すお店もあり、自分でも抽出してみたところ、甘くなく、酸味があっておいしかったそうで、「チョコレート好きはハマるかも」とのこと。

「意外ととかわいいんですよ(笑)」と話しながら見せてくれたこちらは、自分で育てていた食虫植物の写真。さらに『& Premium』でも取り上げたことがある「カゴ」、ハンモックや塗り絵などを紹介しつつ、最後のキーワード「プリミティブなこと」について。

スマホなどデジタルに触れる時間が増えていますよね。だから、それと反対方向の原始的で素朴なものがないと、バランスがとれなくなっているのではないでしょうか。たとえば、多肉植物が流行っていますが、次は食虫植物も面白いかもしれません。ハエトリソウにハエがつかまっているところを見ると自然のすごさを感じます(笑)。コロリアージュと呼ばれ流行している塗り絵など単純作業をしたり、外で寝てみたり、たき火をしてみたり、最初に話した「整える」ともつながりますが、プリミティブな体験が気持ちをリセットしてくれるのだと思います。

>>続いて野村さんのキーワードはこちら

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