街の雰囲気が詰まったホテルへ

その沖縄のホテルには、プールがあって。朝ごはんをそのプールサイドで食べることができました。その朝ごはんを含めて、アメリカ文化が漂っている沖縄の空気感があって、私のイメージしている沖縄とすごくマッチしたんです。だから、ほかの人にオススメできるホテルというわけじゃなくて、私にフィットしたホテル。

自分自身が持っている、街のイメージとホテルの雰囲気がマッチしていることって魅力的なんです。ときには期待値を超えた何かが返ってきて、「これこれ!」って思うような体験ができます。この前、ベトナムに行ったときも、街の雰囲気を存分に感じることができました。

ベトナムって、東南アジアにある国で。植物がモリモリ育っているんですけれど、フランスの植民地だった時代があるから、フレンチコロニアル様式の建物がたくさん建っていて。それに中国の影響も受けているから、フレンチコロニアルな建物と建物の間に中国っぽいぼんぼりもぶら下がっているんですね。

旅に期待する価値をホテルで味わう

そんな景色は、ベトナムが経てきた歴史があるから、生まれている雰囲気を持っていて。個性的な街の歴史や文化がホテルにちゃんと反映されていたら、私は「これこれ!」ってツボります。もちろん、ホテルとしての世界観がしっかり確立されていることは大前提ですよ。でも、自分が街に期待しているイメージがちゃんと実現されているホテルに泊まれたら、とても嬉しいな。

何も、街の歴史や文化に詳しくならなくたって、誰でも持っているイメージってあるじゃないですか。その何となく持っているイメージがあるから、どこかに旅をしたいと人は思うんですよね。その期待に合ったことが起きると嬉しいでしょう? 大阪に行ったなら、本当にタイガースが好きなんだという気づきがあったり、居酒屋で大阪弁のおじさんにたくさん話しかけられたり。

世界的に見ても、街の雰囲気にフィットした世界観やコンセプトが明確なホテルに人気が集まっています。代表例としては、ブルックリンのACE HOTELとか。でも、日本では同じようなホテルが増えてきたようにも感じるんです。

美意識の数だけホテルはカラフルに

一方で、ホテルを経営していくノウハウが広く伝わるようにもなってきたから、個人が自分らしいホテルをつくることができるようになっているんです。そういうホテルには、主人の世界観やコンセプトが反映されているから、多様なホテルが増えていくことにつながる。みんな注目するようになるといいな。

例えば、宮崎県串間市の、とあるホテルに興味があって。そこはサーファーの方が営んでいるんですけれど、朝食をランチボックスに詰めてくれて、海岸で食べられるようになっているんですね。宮崎には、いい波があるから、そのままサーフィンをしに行けるように。そのホテルをつくった人の、美意識や世界観が表れていますよね。

私も、街の雰囲気と世界観や美意識の詰まったホテルを増やしていきたい。産後ケアのホテルだったら、女性にとっての新しい選択肢になりますし。社会にとっても価値があって、一人ひとりにピッタリなホテルと出会える機会をもっと増やしていけたら、いいなって思っています。

ホテルの個性も楽しむ旅

ホテルの個性も楽しむ旅

講師:龍崎翔子(ホテルプロデューサー)

4月講座の講師は、個性ある話題のホテルを手がける、ホテルプロデューサーの龍崎翔子さんです。旅の行き先選びも大事だけど、宿泊するホテルを選ぶことも旅を楽しむためにはとても大切なこと。『ホテルの個性も楽しむ旅』と題して、龍崎さんに個性のあるホテルの選び方、楽しみ方などをお話いただきます。

日時
2019年4月24日(水)19:30~21:30
会場
カフェパーク(恵比寿)
参加費
無料
定員
60名
※応募者多数の場合は抽選となります。
受付期間
2019年3月28日(木)〜4月12日(日)

龍崎翔子(ホテルプロデューサー)

2015年にL&G GLOBAL BUSINESS Inc.を立ち上げ、「ソーシャルホテル」をコンセプトに掲げ北海道・富良野の「petit-hotel #MELON 富良野」や京都・東九条「HOTEL SHE, KYOTO」をプロデュースする。2017年9月には大阪・弁天町でアナログカルチャーをモチーフにした「HOTEL SHE, OSAKA」を、2017年12月には北海道・層雲峡でCHILLな温泉旅館「ホテルクモイ」をオープン。