CLASS ROOM 5月講座は、「アートとの出会いの楽しみ方」というテーマで、ゲストに、BEAMSでアートを身近に届ける永井さんを迎えます。Tシャツをキャンバスに、世界のアーティスティックなグラフィックを発表する「BEAMS T」や、あらゆるジャンルを網羅して、混沌とした東京らしさを表現する「トーキョー カルチャート by ビームス」は、永井さんのどのような経験から生まれたのでしょう。街からアートに近づいていった、その半生を話してもらいます。

描くのが好きで拓いた道

スタジアムジャンパーをつくっている店があって。そこにいろんな人たちが集まっていて、BEAMSのスタッフも来ていました。ぼくは絵が好きで、古着屋で働きつつ、Tシャツの絵を描くアルバイトもしていたんですね。それで、BEAMSでも描かせてくれるって言われて。Uniform Circus BEAMSというブランドに呼ばれて、BEAMSに入りました。

店は渋谷にあって。渋谷は、パルコギャラリーが全盛期の時代。ストリートやグラフィティのアーティストたちを海外からどんどん呼んでいて、毎月、パルコギャラリーは展示やイベントを開催していました。今、活躍しているアーティストたちが、若い頃に渋谷に来ていたんですね。

例えば、ライアン・マクギネス(現代アーティスト)とか、ジェフ・マクフェトリッジ(アートデザイナー)とか、マイク・ミルズ(映画監督)とか。ぼくは、年頃も同じような人が描いたものを展示している、そういうイベントが好きだから。よく見に通っていて、レセプションにも足を運んでいました。

「買いたい」から「買える」へ

ただ、彼らの作品を見ることはできるんですけど、そこで作品を売っていても買うことはできなくて。いつも、お土産コーナーでTシャツやトートバックを買って、それを身につけて喜んでいたんですよ。作品は買えないんだけど、Tシャツだったら買えるっていう気持ちで。

それで、BEAMSに「Tシャツばかり売るレーベルはつくれないか?」って聞いてね。BEAMSって、もともとTシャツは売っていたけど、基本的に人気を集めていたのはブランドのロゴが入ったTシャツで、まだアーティストの作品が入ったTシャツはつくっていなかったから。

それに、冬になると店頭からTシャツは下げられちゃっていて。半袖のTシャツ自体、通年では売っていなかったんです。でも、みんなクラブに行くとき、Tシャツを着て、上からダウンを羽織って、着いたら脱いでロッカーに入れて遊ぶって印象があった。冬でもTシャツは引き出しの中に入っている時代になりつつあったんですよね。

作品を届ける場のはじまり

それで、「作品の絵が入ったTシャツを全部まとめて、1年中、出そう!」とBEAMS Tはスタートしました。でも、アーティストってTシャツのために絵を描いているわけじゃないから。やっぱり、作品を見せて、売りたいっていう気持ちはあるんですよね。だからって、ギャラリーにはなかなか採用されない。じゃあ、BEAMS Tで絵を展示しようと。

そうして、BEAMS Tを6〜7年やっていったら、アーティストとのコミュニケーションは深まるし、つながりもできていって、アーティストのことがよくわかっていきました。真面目に描いていても第一線にはたどりつけていない人たちが増えていたときに、展示できるところをつくろうと、トーキョー カルチャート by ビームスをはじめたんです。

カルチャートというのは、「カルト+カルチャー+アート」の造語。要は、文化でもなければ、芸術でもない、どこにも所属していない、アーティストともデザイナーとも名乗っていて、何者かを決めかねた人たちを、カルチャートで見せてあげたくなった。BEAMS Tの頃は海外アーティストを呼ぶことが多かったけど、日本人限定にして。東京から日本へ、そして海外へ。そんなことができたらいいなと考えたんですね。

アートとの出会いの楽しみ方

アートとの出会いの楽しみ方

講師:永井秀二(クリエイティブディレクター)

5月講座の講師は、“東京”から生み出されるアート、デザイン、カルチャーを世界に発信していく「TOKYO CULTUART by BEAMS」のディレクターを務める永井秀二さんです。美術館やギャラリーだけではないアートとの出会いや楽しみ方をはじめ、永井さんが注目するアーティストなどのお話をうかがいます。

日時
2019年5月22日(水)19:30~21:30
会場
カフェパーク(恵比寿)
参加費
無料
定員
60名
※応募者多数の場合は抽選となります。
受付期間
2019年4月25日(木)〜5月12日(日)

永井秀二(クリエイティブディレクター)

ビームス創造研究所 クリエイティブディレクター、TOKYO CULTUART by BEAMS ディレクター。大学卒業後、株式会社ビームス入社「Uniform Circus BEAMS」にてチームオーダー、SPグッズのデザイン、企画開発等を経て、2000年、Tシャツ専門レーベル「BEAMST」を立ち上げ、バイヤーとしての業務の他、エキシビションの企画、プロデュース等を行う。2008年TOKYOのクリエイションを世界に発信する「TOKYO CULTUART by BEAMS」を設立。店舗の運営、展示のキュレーション他、カルチャー文芸誌「IN THE CITY」のプロデュース、発行を行う。