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2022.07.21

INTERVIEW
私たちも考える #新しいお買いもの

季節のめぐりに合わせて、ショップには新しい服が次々と並びます。使えそうだから買う、リーズナブルだから買う、スマホからサクッとオーダーなどなど。お買いものの理由や方法が増えたことで、よりお買いものに慎重になる人が増えてきた気がします。

新しいシーズンの始まりに、私を魅力的にしてくれる“運命の一枚”を手に入れて、ずっと長く大切に着る。そんな瞬間にこの秋も出会ってほしいから。ルミネ・ニュウマンでは各ショップが企画するイベントやコンテンツを通して、<新しいお買いもの>を提案していきます。秋冬の新作をいち早く目にできる先行受注会や、期間限定のPOP UP、ブランドの“想い”を直接感じられるディレクター来店イベントなど。新しい季節のワクワクに出会える期間です。

今回は、スタイリストの辻󠄀󠄀直子さんをはじめ、辻󠄀󠄀さんと親交の深いディレクター藤井かんなさん、ライター櫻井裕美さんを迎え座談会を開催。ファッションと繋がりの深い3人に、価値観が変わるこの時代の<新しいお買いもの>について、語っていただきました。

PROFILE
NAOKO TSUJI
スタイリスト 

雑誌でのスタイリングに加え、さまざまなショップとのコラボレーションでも知られる。エレガントで上品なもの選びには幅広い支持が。またインスタグラムで披露する日々の着こなしも大人気。@naoko.ts

KANNA FUJII
「エストネーション」のウィメンズ ディレクター

アパレル系プレスやバイヤーを経て、エストネーションのウィメンズ全体のディレクションに携わる。素敵な人やアート、美術館が大好き。辻直子さんとはプレス時代からのお付き合い。

HIROMI SAKURAI
ライター

女性誌を中心に、著名人などのインタビューを中心に活動。ファッションデザイナーやスタイリストなどの取材も多く手掛け“お洒落な理由”を深掘り。辻󠄀直子さんの連載記事の執筆経験も。

THEME 01

ファッションに興味を持ったきっかけ、
そして今の職業についた理由は?

辻󠄀 私はおもちゃよりも洋服を欲しがる子で、小学生の時から両親は、「洋服は好きなものを選んでいいよ」と言ってくれていたので、当時から洋服は自分の感じる「好き」を選んでいました。私の父が洋服好きで、私が選ぶものに対して、「小学生がこういうものを選ぶのか」と面白がってくれたり、それを受けて「こういうのも素敵だよ?」とアドバイスをくれたり。

藤井 当時のもの選びの視点は、今の辻󠄀さんに近い感じがある?

辻󠄀 そうだね、すごく繋がってる。今思い出すと、洋服が大好きすぎて、我ながらしっかり吟味して、結構ちゃんとしたものを選んでいた気がする(笑)。そんな感じで幼い頃から洋服が好きで、高校生の時に雑誌で<スタイリスト>という仕事があることを知り、「これになりたい」と思ったのがきっかけ。

藤井 私も、小さい頃から洋服が身近にあったということが大きいかも。実は実家は紳士服のテーラー、さらに親戚が近所で婦人服のオーダーメイドをやっていて。あと祖父がよく、デパートでインポートの洋服を選ばせてくれて。私もその頃から、「こういう服が好き」みたいなのは強かったかな。

櫻井 素敵な環境!

藤井 最初は洋服とは全く関係ない仕事に就いたんだけど、やっぱり洋服が好きな気持ちはずっとあって…。当時、パリコレとかを取り上げるテレビ番組『ファッション通信』が地上波で放送されていて、それを見て漠然と「パリコレかぁ、バイヤーとかになったら行けるのかな…」と思って、ならアパレルに転職してみよう!と思い切ったのが、今の仕事への第一歩。

櫻井 私も、小学生の時に隣の家に住んでいるお姉さんが、すごくお洒落だったのがファッションに興味を持った最初のきっかけ。

藤井 櫻井さんも、小学生時代から!

櫻井 そう(笑)。そのお姉さんが、デザイン科がある高校の生徒で、学校で描いたデザイン画を見せてくれたりして。「私もお姉さんと同じ高校に行ってデザイナーになる!」って夢を持ったの。

藤井 すごい。

櫻井 でも実際その高校に入ったら、ちょっと違うかな、と…。ファッションイラストの授業の先生に相談をしたら、「君は人間の分析が上手いから、雑誌のライターになるといいよ」とアドバイスをくれ、さらに先生の奥さんがライターで、アシスタントをさせてくれたの。

辻󠄀 その先生の洞察力、すごいね。

櫻井 ほんとに。それがきっかけでライターになって、”書くことが好き”ということに気づくことができたから。信頼している人の助言に耳を傾ける大切さも教わったかも。

辻󠄀 面白いね、みんなきっかけは小学生時代にあったんだね。

THEME 02

「この服、私を素敵に見せてくれる!」。
その感動と喜びを、大事にしたい。

辻󠄀 洋服って、いろんな役割があるけど、私にとってはそれを着て、自分が素敵になるっていうことを一番に思っていて、いつもこれを着てどうなりたい?って価値観で選んでいる気がする。試着をして鏡を見て、「わぁ、私に似合う、素敵かも!」って感じるあの瞬間って、ものすごく嬉しくない?

櫻井 わかる!実は去年の冬、普段はあまり選ばない、膝丈の黒いワンピースを試着してみたの。それで鏡を見たら、自分で言うのもなんだけど、すごく似合っていて…。

辻󠄀 嬉しいよねぇ。

櫻井 嬉しかった(笑)。店員さんも、「ものすごくお似合いです!」って言ってくれて。

藤井 自分で見ても“素敵に見える”と思えて、他者が見てもそう思うって、お買いものにおいてはすごく大事。気分も上がるし。

辻󠄀 すごくよくわかる。私は仕事柄、人に洋服を選ぶ機会が多いけど、その選んだ服を着てくれた人が、「自分に似合う!」って思ってくれるのも、すごい喜びなの。

藤井 みんな仕事柄たくさんお買いものをするだろうけど、そこまで思う瞬間って、実はあんまりないよね?

櫻井 確かに…。

辻󠄀 そういうお洋服たちを手に入れると、「出かけたい!」って気持ちにならない? 

櫻井 私は「人に会いたい!」ってなる。

辻󠄀 自分のクローゼットに並ぶアイテム1つ1つ、そのすべてに共通しているのは、私は出会った瞬間に「すごい、似合うかも!」と歓喜した瞬間があるということ。それを感じる気持ちこそが、お買いものの醍醐味かもしれない。

藤井 ね、気持ちが高まるよね。

辻󠄀 実際私、そういう買いものができたときは、無理やり出かけたりする(笑)。

THEME 03

“好き”を重視して選ぶことが、
“持続可能なお買いもの”に繋がる。

櫻井 仕事で、直ちゃん(辻󠄀さん)がスタイリングしているところを見ていると、数珠つなぎみたいで面白い。たくさんある服の中から魔法みたいに手早くコーディネートが完成して、一見「それとそれ、合う…?」って思うものが、直ちゃんの手にかかると、一つの世界観が出来上がる。それは直ちゃんの私服のコーディネートにも言えることだけど。

辻󠄀 嬉しい!そうだね、毎回ショッピングの度に思うのは、どれも好きで買ってるものだから、これもあれもすごく好きで買った、こっちも大好きだから買った。不思議と自然と、自分の好きの感覚を大切にして選んでいくと、全く違う色合いもクローゼットに入るとマッチしちゃうの。色もさまざまなテイストも上手くまとまった自分らしいコーディネートが必ず出来上がっちゃうの、ほんとそれは面白いって思う。

藤井 そう!デザインがどうとか、色がどうとか、そういう理屈じゃないよね。“好き”だから揃っちゃうし、噛み合っちゃうっていう。その理由は、それぞれのアイテムに、1本筋みたいなものが通ってるからだと思うな。

櫻井 なるほど。確かに、仕事でファッションについて取材をすると、魅力的な人からは、“トレンド”みたいな話より、“好きだから買う”という言葉がよく出てくる印象があるな。しかもそういう人たちは、アイテムに対して、好きだからこそ、絶対に素敵に着こなしたい!という負けん気みたいなものを感じる。

藤井 すごくわかる。

櫻井 そんな人のお話をたくさん聞く中で、私は「自分が好きなものってなんだろう…」ということを、すごく考えて。直ちゃんが確か、昔買ったスカートを今も大切にしていて、そういうの、すごく素敵だと思う。

辻󠄀 20歳くらいの時に買ったスカートだよね。白と黒のギンガムチェックのIラインのスカートで、ほんと今でも自分のテイストにぴったりなの。

藤井 心から好きと思える服を買うと、当たり前だけどその服を大切にするし、さっき辻󠄀さんが言ったように、“好きの世界観”で統一されるから、コーディネートもしやすい。ある意味、“持続可能なお買いもの”とも言えるよね。<好き>は服をつなぐ軸になっていくから。

櫻井 確かに!

エストネーション(写真上・ニュウマン横浜)ではコートの予約会、 また、アメリヴィンテージエレンディーク(写真中下・ともにルミネ新宿)では秋冬の新作予約会を開催するなど、各店舗でさまざまな催しを楽しめる。

THEME 04

急かされるようなサイクルは終了。
“新しい価値観での買いもの”とは?

藤井 新型コロナ以降、自分はもの選びに少し慎重になっている気がするんだけど、お二人はどう?

辻󠄀 そうかもしれない。その“慎重”って、恐る恐る…の慎重ではなくて、以前より見る目が厳しくなった、というのが近いかな。すごく"選ぶ目"を新しくしてる。

藤井 そう、まさにそれ。コロナ前までは、コレクションの時期に買い付けに行って、イベントを企画してSNSで情報を発信、気がついたらバーゲンがきて…って、そのループでずっと走り続けている感覚はあった。今思うと、いろいろ過剰だったのだと思う。

辻󠄀 毎日、常に急き立てられている感じ、確かにあったね。渦中にいたときは、それが当たり前だと思っていて…。でもコロナが起きて動きが止まったことで、何が大事で必要なのか“価値観の変化”を突きつけられた気がする。洋服選びもそうだし、時間の使い方や、人間関係など、あらゆることを考え直した人、多かったんじゃないかな。

櫻井 毎日出かけていた時代は、あれこれいろんな服が必要、と思ってたけど、コロナ下で週に1、2回くらいしか出かけないとなってみると、実は洋服ってそんなに多くは必要ないのかも…と思って。心から自分が似合うと思える服と、人から褒めてもらった嬉しい記憶のある服だけあればもしかしたら事足りるのかもしれない。「あると役に立つかも…」みたいな気持ちで買った服は、やっぱり一軍にはなれないし、結果、愛を持てないというか…。

辻󠄀 せっかく買ったものを愛せないって、やっぱり悲しいよね。

藤井 ものを売るアパレル側としては、<適時・適品・適量>ということを、この3年間すごく考えてる。適正のタイミングで、適正のものを、適正の量で市場に出す。アパレルとしては過剰供給をやめることで、無駄な売れ残りを減らせるというメリットがあるし、“しっかり選んだものを大切にしたい”という価値観を持つお客さまに応えることにも繋がるんじゃないかなって。あと、受注会や予約会もここ数年増えていて。「エストネーション」も秋に向けて、ニュウマン横浜の店舗で開催するの。

辻󠄀 どんなことをするの?

藤井 例えば長年人気のモデルを、より上質な生地であつらえたコートの予約会。素敵な一着を見つけて長く着てほしいと思うので、そういう機会を増やせるのは嬉しくて。オーダーを受ける形の受注生産だと、注文が入った数しか作らないので、無駄がなくなるから。

辻󠄀 すごく良い試み。じっくり服と向き合うきっかけになるんじゃないかな。自分の好きなものを探す喜びを知るとファッションがもっともっと楽しくなると思う。

エストネーション(写真上・ニュウマン横浜)ではコートの予約会、 また、アメリヴィンテージエレンディーク(写真中下・ともにルミネ新宿)では秋冬の新作予約会を開催するなど、各店舗でさまざまな催しを楽しめる。

THEME 05

秋冬シーズン、何を買う?
3人のお買いもの計画をのぞき見!

辻󠄀 さっきコートの話が出たけど、私、秋冬シーズンのお買いものは、まずアウターから入るの。

櫻井 その理由は?

辻󠄀 アウター好きっていうのもあるけど、コーディネートを考える上で、アウターが決まると、すごくいろんなコーディネートのアイデアが浮かんでくる。たぶんみんな、ニットとかパンツとか、“アウターの中に着るもの”を先に選ぶから、“何にでも合いそうな優秀なアウター”に手が伸びるよね。でもそうすると結局、ものすごく無難なものになっちゃったりして、お洒落を楽しむ、という観点から考えると、少しさみしくなっちゃうよね、そんな声を多く聞くし。

藤井 確かにそうかも。どこから選ぶかの発想を逆転させると、楽しくなるかも。

辻󠄀 そう。その勇気を持ってほしい。

藤井 もうすでに何か目をつけてる?

辻󠄀 うん(笑)。今季は短めのアウターが気になっていて、クロップド丈のボリュームのあるコートやダウンをオーダーしてる。かなり短いデザインもあって、どんなコーディネートにしようか、今からすごく楽しみ。

櫻井 私も今年はまずコートが欲しい!昨年から、軽くて上質な、長く着られるコートを探してるんだけど、まだ巡り合えなくて…。私を素敵に見せてくれるコートに、今年こそ出会いたいな。

辻󠄀 藤井さんは?

藤井 私は、少し前からヒールを履きたい気持ちが盛り上がってきて。少しヒールのあるロングブーツを手に入れたいな。

辻󠄀 何に合わせたいの?

藤井 私、普段パンツスタイルが多いから、久しぶりにブーツインしたいな、と。それこそそういうスタイルが流行ってた時代もあったよね。ブーツインすることで、自分が定番として穿いているベーシックなトラウザーズを、また新鮮な気持ちで着られるような気がして。

辻󠄀 確かに、秋を先取りするなら、ブーツとか、足元から入るのはいいね。9月はまだ少し暑いけど、ブーツは取り入れられるから。

櫻井 お洒落して一緒にお出かけしたくなってきた(笑)。

辻󠄀 この秋冬、“私を素敵に見せてくれる”アイテムと出会える、そんなお買いものができますように!

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