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1.
 power of
 color

Aya Murakami
(Hair&Make-up Artist)

村上綾/ヘアメイクアシスタントを経て、2010年に独立。現在は人気ヘアメイクとしてさまざまなファッション誌や広告で活躍。女性の魅力を引き出すメイク術は女優やアーティストからも人気。

色が紡ぐ非日常的でアートな世界

ーーー数え切れないほど存在するコスメの中から、その人に似合うカラーを選び出し、魅力を最大限に引き出していく。ヘアメイクアーティストとして活躍する村上綾さんにとって「色」はとても重要で、欠かすことのできないものだ。「昔から絵が好きでした。もともとスタイリストになりたくて服飾の学校に通っていて、その学校で受けたアートメイクの授業が楽しく、当時目にした電車のつり革にあったアートな広告にも衝撃を受けました。全身裸の体にカラフルなペイントを施している広告だったのですが、こんな仕事もあるんだとワクワクしたのを覚えています」。仕事では、その人の素材を引き立たせるナチュラルメイクを得意とするが、自在に色を用いてアート作品のように仕上げることもある。「そんな時は、絵を見る感覚と同じで非日常的な気持ちで作ります。どちらにしても『素敵だな』と思う感覚を大切にしています

好きな色を身に付けるだけで自信につながる

ーーーそんな村上さんは洋服選びもカラー重視。特に好きなのは赤で、気がつくと自宅は赤色のものばかり。「私にとってフレッシュでワクワクする色なんです。身につけるだけでテンションも上がります。メイクと同じく、自分の好きなカラーを取り入れことは自信につながるのかもしれないですね。流行りのファッションも気になりますが、意外とその瞬間しか着なかったりする。それよりも本当に好きと思えるものだけを選んで、何十年も着続けたい。その方が、自分がずっと自分らしくいられる気がするんです」。10年前から愛用している赤い靴は古着屋さんで購入したもの。仕事中は動きやすさを重視してスニーカーを愛用中。そのためか、この靴を履くだけでリラックスした休日気分になれるそう。

メイクはファッションの一部!

ーーー「70年代、80年代ファッションが好きなので、気がつくとそういうアイテムも多いです。絶妙な丈感とか柄とか面白いなあと思います。古着が好きなんですが、コーディネートには1点2点取り入れる程度。大人だからきれいに着たい。新品を購入する時にも、シンプルでも素材が変わっているとか、デザインに工夫があるとか、どこかに遊びを感じさせるものを選びますね。メイクもそうなのですが質感を楽しみ、抜け感やメリハリを大切にしています。メイクアップも含めたトータルコーディネートをすればファッションはもっと楽しくなると思います

直感でいい。それが私色になっていく

ーーー洋服でもアクセサリーでも、好きな色や柄を身に付けるだけで、気分は上がるもの。長く愛せるものに出会うことは、自分らしさを表現することにもつながる。「母が長く愛用していたモノトーンのレインコートを、母が亡くなった時に受け継ぎました。母と言ったらこのドットのコートだった。何歳になってもこのコートを着こなす母がすごく素敵で、大好きでした。これを身に付けるだけで気持ちがシャンとする。私もこのコートがきちんと似合う女性になりたい」。好きと思えるものに出会ったら、手入れをしながら長く愛用する村上さん。仕事柄、たくさん出会うメイク道具も気に入ったものは仕事用と自分用の複数買い。そうして、いつの間にか私色になっていくのだ。「ワクワクする。そんな直感を大切にしたい。それが自分にとってきっと正解なのだと思う」

2.
 back story

Yuko Okazaki
(Potter)

岡崎裕子/陶芸家。茨城県笠間市の陶芸家・森田榮一氏に弟子入り。4年半の修行の後、笠間市窯業指導所釉薬科/石膏科修了。2007年神奈川県横須賀市にて独立。自然をモチーフとしたあたたかみのある質感が人気。

私にしっくり馴染む、が心地いい

ーーー植物やトンボなど、自然をモチーフとした作品を多く発表している陶芸家の岡崎裕子さん。陶芸家になる前は、日本を代表するブランドのイッセイ ミヤケで広報を担当するなど、ファッションの世界に身を置いてきた。「当時からストーリーを感じられるモノづくりの世界が好きでした。作り手の想いが詰まっているもの。そこにはオリジナルの魅力や心地よさが詰まっていると思うんです」。洋服は着ることで、器は使うことで、その人の意識を変える存在となる。好きなものを身につければ気分がいいし、大切な器で食べるご飯は美味しい。「20代の頃は頑張ったファッションも取り入れていたけど、今は素敵に歳を重ねることだけを考えています。すると自分にしっくり馴染むものしか手にしなくなる。それって安心感にもつながるんですよね」

モノは大事なコミュニケーションの一部

ーーーたとえ見た目はシンプルでも愛が詰まっているもの。そこには作り手がさまざまな努力を経ていきついたデザインや素材がある。「気になるものに出会ったら、誰がどんな想いで作っているのかを聞いちゃうし、調べることもあります」。岡崎さんが作っている器は、母でもある自身の暮らしから得た使いやすさを大切にしている。料理が美味しく見えることを重視しているため、使うのは基本的に白い釉薬。個性はデコラティブなモチーフ使いで出している。「洋服でも器でも、手仕事を感じられるような温かみのあるものが好きです。洋服で言うとナチュラルな素材であったり、身体にフィットするもの。そこには作り手とのコミュニケーションが感じられる。私もそんな嬉しい出会いを求めて、制作活動をしているのかもしれません」

大切なモノこそ、毎日を共にしたい

ーーーモノ作りのプロである岡崎さんが惹かれるのは、やはりその職人芸。大好きでコレクションしているというロイヤル コペンハーゲンの食器は、オークションで手に入れたもの。「陶芸家として、このブランドに対する憧れは強いです。その手仕事に感動するし、いつまでも私の胸を掴んで離さない。どうすればこの器を作れるんだろう。未だ釉薬の調合もわからない。でも好きだからこそ日常に取り入れたい。キッチンの目につく場所にこの器の置き場はあって、朝食のパンや果物を当たり前に入れているんです」。同じように少し奮発した洋服も日常で使うのが彼女のセオリー。シンプルなデザインだけど、個人的に想い入れがある。そんな洋服は自身の展覧会の主役となる。「大切な洋服を身に付けると、気分が締まります」

好きなものに囲まれる日々は楽しい

ーーーファッション業界にいた頃は仕事でよく足を運んだパリ。ここも彼女にとっては想い出深い場所。「20代前半に、すごく行ってみたいアンティークショップで購入したリング。当時の自分で買えるものを厳選したのですが、今でもすごく愛用しています。その後、数年ぶりに行けた単身旅行のパリでもリングを買いました。どちらもアンティーク。今では出会えない細工と素材感が好きです。昔の自分を思い出して、胸がキュンとなったりもします。やっぱりそこにはストーリーがあるんですよね」。大切な想い出だからこそ、日常に、カジュアルに取り入れたいという岡崎さん。どんどん好きなものに囲まれることで、彼女の幸せは増えていく。「好きなものじゃないと緊張感が出ちゃうと思うんですよね」。素敵な笑顔の理由は意外とシンプルだ。

3.
 enjoy
 materials

Kazuyo Takiguchi
(nest Robe Press)

滝口和代/天然素材とサスティナブルなモノづくりにこだわるブランド「nest Robe」のプレスを担当する滝口さんは、自らが身に付ける洋服だけではなく、食や暮らしも自然派。飾らない人柄やファッションセンスが人気に。1児の母でもあり、その心地いいライフスタイルにも注目が集まる。

「自然の素材」が五感を喜ばせてくれる

ーーー天然素材にこだわるブランドのプレスを10年近く担当している滝口和代さん。30代になってこの仕事に就き、気持ちのいいものこそ“正解”だと痛感したと言う。「20代は素材など関係なく、とにかくかわいいと思えるデザインを追い求めていました。でも30代を迎えるにあたって、やっぱり天然素材がいいなと思ったんです」。毎日の暮らしを彩る家具や雑貨、食べ物や身に付けるもの、そのすべては自然の理にかなったものがいい。余計な化学肥料を使っていない野菜はやっぱり美味しい。そのシンプルな発想と服選びは一緒だ。「気持ちいい、好き。そんな直感を大切にしたいなと思います。五感とでも言うのかな? 動物的な本質を忘れたくないですね」

長く愛される天然素材には理由がある

ーーーリネンやコットン、シルクなどの天然素材は着るほどに肌に馴染んでくる。長く使ったあとの表情も愛おしい。本物は人間の表情と同じく、その経年変化まで美しいのだ。「リネンはシワになりやすいのですが、上質なものはそのシワにも違いが出ます。それを見るだけで素材の良さがわかるほど。ある日、引っ越しで10年くらい開けてない靴の箱がいっぱい出てきたんですが、イタリアのベンチメイドの靴だけ、しっかりと存在感を放っていたことがありました。素材はもちろん、作り手の愛情が詰まっているものはいつまでも色褪せない。そういうものを身につけていきたい、とその時に思いました。それは心地よさにつながるし、何かをずっと大切にすることで循環する環境を作ることができる。そういう意味でも天然素材を身につけていきたい。やはり昔から使われている素材って、とても自然の理にかなっているんですよ」

理にかなっているから、断然心地いい

ーーー1万年ほど前の文献を紐解くと、「病人には麻を着せなさい」という項目もあるほど。衛生面だけではなく、リネンは肌と一緒に呼吸することが立証されているのだそう。「リネンの糸は真ん中が空洞です。だから水を吸ってもすぐに外に出せるし、寒い時はそこに空気を溜めてることもできる。私には子供がいるのですが、育児書にも“天然素材を着せてあげましょう”と書いてありました。肌が喜べば、心も喜ぶ。シンプルだけど、とても大切なことだと思います。長年着ているこのリネンのシャツは、スーッと身体に馴染んでくる。普遍的なデザインも好きだし、洋服選びに困った時にも重宝します。自分の定番がひとつあると落ち着きますよね。夏は涼しくて冬は暖かいから、一年中愛用しています」

モノ以上の価値を生み出す作り手の心

ーーー同じく普遍的なデザインとして愛用しているのがオーバーオール。「オーバーオールが大好きで何本も持っていますが、これは珍しいリネン素材。ファッションではなく、ワークウェアとしての美しさを表現したデザインにも惹かれて購入しました。何かを選ぶ時、素材はもちろんその工程も気にかけます。せっかく綿や麻を畑から自然な状態で採取しても、その後の加工がケミカルだと意味が薄れてしまう。生産の時間短縮には有効な技術なのですが、そうはあって欲しくない。混じり気のないもの。作り手のこだわりを感じられるもの。それを私たちがずっと大切に着る。そんな美しい気持ちのバトンには、モノ以上の価値があるんじゃないかなと思います」

4.
 my standard

Miyu Otani
(Model)

小谷実由/ファッション誌やカタログ、広告を中心にモデルとして活躍。さまざまな作家やクリエイターとの企画、執筆活動など活動範囲は多岐にわたる。昭和と純喫茶、古着好き。“おみゆ”の愛称で親しまれている。

「一瞬から一生へ」。スタンダードという価値

ーーー幼少の頃からファッションに興味があり、お小遣いをすべて洋服に使うほど買い物好きだった小谷実由さん。そんな彼女にとって、たくさんの洋服に囲まれるモデルの仕事はまさに天職。今も変わらず洋服愛と向き合っている。「以前はファストファッションが中心でした。手頃な価格だから、すぐに買いたいものを手にいれることができるし、出かける場所に合わせて新しい洋服を買い足すのが当たり前だった。でも、一時の感情で選んだ服って、結局その一瞬しか着ないんですよね。そんなことを感じ始めていた頃、とっても好きな洋服に出合ったんです」。約8年前、足を運んだ展示会で見つけた総レースのワンピース。今まで着たことのないアイテムだったけれど、その美しさとシルエットに衝撃を受けたのだ。

「長く着たい」と思える洋服たちが愛おしい

ーーー「今まで手にしていた洋服よりも断然高いし、その服に袖を通すことにすら緊張しました。でもその感覚が初めてで、とてもワクワクしたんです」。この服が似合う自分になるにはどうすればいいんだろう? そんなことを考えながら、タイトなシルエットに似合うように体重も落とした。「それがきっかけで、高くても上質なモノを頑張って買って、それをできるだけ長く着れる自分でいたいな、と思うようになりました」。長く愛用したいと思えるモノを手にし、それが着ていくうちに身体に馴染んでいくのが楽しい。流行や時代に左右されず、年齢を重ねてもずっと使いたいと思えるものは、自分に自信も持たせてくれる。最近では欲しいと思った洋服に出会った時、「これは長く着られるかな?」と問うのが小谷さんにとってスタンダードとなった。

スタンダードの定義は人それぞれでいい

ーーー「いわゆる定番と言われるデニムなどはもちろんですが、印象的なアイテムでも自分の定番にしてみたい。シンプルなデザインだから定番ではなくて、ずっと使いたいと思えるモノが私にとってのスタンダードです」。美しいシルエット、そして自分の身体にフィットするデザイン、上質さ。彼女の基準をクリアした洋服の数々が、愛する定番となる。「昔は洋服をころころ変えることでファッションに変化を出していたけれど、今は本当に好きなモノだけに囲まれるのが気持ちいい。そのおかげでメイクや髪型、アクセサリーで変化をつけるのが楽しくなってきました。大好きなスカーフはまさにそれ! 首に巻くだけじゃなく、バッグにつけたり、旅へ行く時に下着を包んでみたり、いろんな使い方ができます。スカーフをしている人が街中にたくさん居たら素敵だなと思い、スカーフの良さを知ってもらいたくて自分でもスカーフブランドを始めました」

スタンダードとは私の個性を代弁するもの

ーーー音楽が好きな彼女にとって、イギリス生まれのドクターマーチンのブーツもまた永遠の定番。「10代の頃パンクを聴いていたので、このブランドへの憧れはすごくありました。8ホールを購入したのは20歳の頃。一番履いているシューズかもしれません。手入れもせず、あえて履きつぶしている感じがかっこいい。父も大好きなブランドなので、その影響もあるかもしれませんね」。ライブハウスに足繁く通っていた時も、マーチンのブーツなら踏まれても汚れてもOK。これを履くだけで無敵な気分になれた。「パンツでもいいし、かわいいワンピースにも似合う。音楽好きな私のアイデンティティを代弁してくれるかのような存在感も好きです。スタンダードとは、自分が自分らしくいられるアイテムのことなのかもしれないですね

5.
 skin love

Miyu Hayashida
(Model/Actress)

林田岬優/女性誌を中心にモデルとして活躍するほか、さまざまなドラマにも出演。最近では映画や舞台など、女優としての活動の幅も広げる。透明感のある美肌が魅力で、コスメブランドのイメージモデルも長く務めている。

自分と会話することで生まれる心地よさ

ーーー透き通るような素肌と健康的なスタイル。そして屈託のない笑顔が魅力の林田岬優さん。モデルや女優として忙しい日々を過ごす彼女の美の秘訣は、意外にもシンプルだ。「お水をたくさん飲むこと。そして週に2回は運動をすること。この2つを常に心がけています。お水は最低でも1ℓ、多い時は2ℓ。私はむくみやすい体質なので、その日の体調に合わせて量を変えています。食事は自炊が基本。あまり外食が続くと、体調が悪くなっちゃうんですよね」。撮影時は外で食事をすることが多い分、それ以外の食事はできるだけ自宅で。「毎日ご飯と味噌汁、納豆だけで生きられるタイプです」と話す通り、シンプルな食生活が好み。「ヘルシーさを意識している訳ではないのですが、それが自分の身体に合うみたい」。

ヘルシーな暮らしは“好き”を大切にすることから

ーーー林田さんが自分らしい暮らしを見つけられたのは、人生で最も外食に行った上京時がきっかけ。「当時は友達や撮影スタッフさんと外食に行く機会も多くて。もちろん楽しかったのですが、それで体調を悪くしちゃって…。あ、自分にはシンプルな食事が合うみたい。と気づいたんですよね。それからはその日の体調に合わせて、水分量や食事を調整できるようになりました。でも決して無理はせず、自分が心地いい範囲で。それが基本かな」。食生活と同じく、コスメも自分に合うものを長く使い続けるのが彼女流。仕事柄、新作コスメに出合う機会も多いけれど、自分の“好き”を大切にするのが心地いいそう。「昨年、日焼けが気になって購入したDiorの美容液をリピートしています。贅沢な気持ちになれる香りも好きです」。

ファッションにも自分の小さなこだわりを

ーーー「周りに流されず、自分の信念をきちんと持った女性が美しいと思う」と語る林田さんは、ファッションにもこだわりがある。「どこかに女性らしさを感じるスタイルが好きです。大きいTシャツも着方によってはとても色っぽくなる。そんな風に、わかりやすい色気じゃなくて、スタイリッシュさを大事にしています」。着心地やシルエットはもちろん、着た時のハッとするトキメキも大切な要素。本当に気に入ったものだけを手にするので、飽きることがないという。「靴も大好きです。自分の足を美しく見せてくれる靴に出合うとテンションが上がります。服も靴も何度も手入れしながら、長く愛用しちゃうので、モデルにしては所有する服が少ないと言われます。でも、“好き”だけに囲まれる暮らしがやっぱり気持ちいいから」。

自然体の女性が美しい

ーーー2年ほど前、仕事の帰りに偶然入ったお店で一目ぼれしたリングは、今も大切な宝物。「無くすのが怖いから、1日置きに着けています」というほどお気に入り。「普段全然アクセサリーは買わないのですが、この時は仕事もすごく頑張っていたし、自分へのご褒美として。今まで買ったリングの中で一番高価なのですが、これを身に付けるだけで自信が湧いてきます。当時のことを思い出して、嬉しい気持ちにもなれるから」。ギラギラはしてないけれど、さりげなくキラキラしている。そんなヴィンテージっぽい雰囲気も彼女のライフスタイルにはよく似合う。「食もスキンケアもそうなのですが、あまりやり過ぎない方が自分には合っていて。自然体でかっこいい女性を目指したいなと思っています」

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