2019.09.25
Report 1/3

知ると楽しいワインのあれこれ

講師:西浦昌文(シャトージュン スペシャルアドバイザー)

9月講座は、食を通じて都市での豊かな暮らしを育む「ルミネアグリプロジェクト」連動企画です。講師の西浦昌文さんは、6月に開催されたG20大阪サミットの首脳夕食会でも提供されたワインをつくる、山梨県勝沼町のワイナリー「シャトージュン」のスペシャルアドバイザー。そんな西浦さんが話すワイントークには、知ると楽しいワインの見識がいっぱい。料理に合わせたワインを楽しむ様子とともにレポートします。

知識が結ぶワインの魅力

9月講座は、山梨県勝沼町に広がる、ブドウ畑の映像に自然の美しさを感じながらスタートしました。その映像に写った、ヨーロッパ風の建物がシャトージュンのワイナリー。造り手のこだわりが詰まったワインづくりは、厳選した契約農家との信頼によって支えられています。2019年で40周年を迎えました。

みなさん、日本のワインは飲みますか? 一般的に、これまでは海外産のブドウやジュースなどの原料を輸入して製造したワインも国産ワインと呼ばれていましたが、今は材料をはじめすべて国産のワインだけを日本のワインと呼ぶことに決まったんですよ。そしてシャトージュンでは、12年前にそれをはじめています。
そんな私たちから、難しいことを抜きに、『すぐにでも、そしてこれからもワインを飲みたい』という気分になって帰ってもらえる話をしますね。

イベント出店やバスツアー企画などを通じて、シャトージュンはワインの魅力をずっと伝えています。その過程で、西浦さん自身もソムリエの資格を取得したり、チーズの勉強を続けたりして、食とワインを楽しんできました。そんな西浦さんがこの日、まず教えてくれたことにはワイン初心者にも優しい視線が注がれていました。

ワインというと、難しい知識を覚えなきゃいけないイメージですが、そんなことはないんですよ。ただ、知ることが楽しむことにつながるもののひとつがワインでもあります。例えば、ブドウの名前を知っておいたら、こんなにお得なことがあって。1度飲んで、また次に飲みたいとき、同じワインを見つけることは少し難しいんですが、『甲州種のワインが美味しかったんです』とソムリエに伝えたら、次に飲むワインも好みに近づきます。

好みに合わせるワインの楽しみ

ほんの少しでも知識を持つと、自分の好みとソムリエやワインの販売員を結ぶ架け橋ができる。だから、知っておくともっと楽しめるという魅力がワインにはあるようです。その魅力は、ワインと食の架け橋も築きます。そして、食事を基準にワインを選ぶという楽しみも与えてくれるのだとか。

どちらかというと、私は食事に合わせて選びます。『今日は何を食べる?』『じゃあ、このワインにする?』といったように。特別なワインを飲むときは食事のほうを合わせることもできて、ワインの楽しみ方は知っていくほどに広がりますよ。

それほどの広い魅力を持つワインだけに、嗜む人たちがワインの味わいを表現するときのボキャブラリーも豊潤です。かえって、それがワイン初心者にとっては「ワインの感想をどう伝えたらいいんだろう?」という悩みの種を生みがちにも……。でも、西浦さんは「そんなに堅苦しくならなくていい」と安心させてくれました。

ワインの表現に絶対的な正解はないですよ。人間が感じることですから、感じたままを口にして大丈夫。他にも、コルクを開けることやグラスを揃えることも大変そうですが、そういったものも自分に合わせて、楽しんで飲んでいただけたら嬉しい。美味しいワインに出会うことは、やっぱり幸せですからね。

知ると楽しい豊かな暮らし

講座の後半には、参加者の皆さんから寄せられた質問に答えていただきました。

Q.ワインの名前をなかなか覚えられません。帰りにラベルをもらうのも恥ずかしくて……どうすればいいと思いますか?

恥ずかしがらなくて大丈夫ですよ。スマートフォンを用意して、『ボトルを撮影してもいいですか?』とお願いしてみてください。それが1番の記録を残す方法です。表だけでなく、裏側も撮影しておいて、次にワインを楽しむとき、『希望はありますか?』と聞かれたら、それを見せるといいですよ。

Q.ワイン選びのコツはありますか? ブドウの品種以外でも見分けられるのか気になりました。

はじめて見るワインのラベルだけを見ても、見分けることって難しい。だから、辛いのが好きか、甘いのが好きか、軽めが好みか、重めが好みか、自分の判断基準を持っていけるようになるとワインの楽しみが広がります。

最後に、CLASS ROOM恒例の質問にも答えてもらいます。西浦さんにとって「良い暮らし」とは?

やっぱり、知れば暮らしも楽しくなることは豊かですよね。私自身、もともとはワインに詳しくなくて、飲みながら勉強していきました。ソムリエ資格を取ったり、チーズに詳しくなったりして、もっと楽しくなったんです。何も、プロのように貪欲に学ぶ必要はないけれど、ほんの少しだけ何かを知っていくと、人生って楽しくなると思います。私自身も、楽しくやっていますので。

>>交流会の様子はこちら

西浦昌文(シャトージュン スペシャルアドバイザー)

1957年 誕生
1975年 JUN GROUP(アパレル)入社
2008年 営業部、飲食事業部兼務 シャトージュン事業部長
2012年 ソムリエ資格取得
2013年 日本ワインマスター資格取得
2014年 日本酒利酒師資格取得
2018年 &LIVED設立 シャトージュン スペシャルアドバイザー(顧問)契約

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