2016.1.27
Report 3/3

私が追いかけたい暮らしのこと

おすすめBOOK:暮らしをもっと楽しくしてくれる一冊

暮らしをもっと楽しくしてくれる一冊

CLASS ROOMは「暮らしをもっと楽しくするカルチャースクール」。毎回レポートの最後に、講師&ケータリング担当がおすすめするライフスタイルブックをご紹介。内面のオシャレを磨く“課題図書”、ぜひ読んでみてくださいね。

芝崎信明さんセレクト

『図説 ウィリアム・モリス ヴィクトリア朝を越えた巨人』(ダーリング・ブルース、ダーリング・常田益代/河出書房新社)

「18世紀に英国から始まった産業革命により、大量生産、大量消費の物質文明の幕が開きました。その時代に生きたウィリアム・モリスは、機械化による質から量への価値の転換で、モノは増えたが、日々の生活の質は落ちてしまったと嘆き、その質を取り戻そうとした人物です。この本はそのモリスの生涯と活動を、多くの写真と図でわかりやすく解説してくれます。私たちが生きる今の時代も、IT化の波、行き過ぎた物質文明により、『本当の意味の上質な生活とは?』を見つめ直す人は少なくないと思いますが、モリスの活動を振り返ることで、時代を超えて、何か見えてくることがあると思います」

野村由芽さんセレクト

『日々雑記』(武田百合子/中央公論社)

「日々を丹念に観察し、詩の魂で散文をつづった人の最後のエッセイ集。『鳥肌が立つように煮くれたおでん』の食品サンプルを見て、『こういうものがごたごたあるところで、もうしばらく生きていたいという気持ちが、お湯のようにこみ上げてくる』の一節はもはや聖書。暮らしとは日常を絶えずつないでいく淡々とした奇跡にほかならず、であればこんなものの見方で生きていきたいです」

青柳文子さんセレクト

『都会から始まる新しい生き方のデザイン』(ソーヤー海/東京アーバンパーマカルチャー/エムエム・ブックス)

「以前、熊本のエコビレッジを訪ねた時に、そこにたまたまいらっしゃっっていた長老のような方から、東京でも出来る限り土に近いパーマカルチャー的生活をしたいけどどうしたらいいんだろうと相談したら、ソーヤー海くんに会いに行きなさい、と言われ、ドラクエのような気持ちでその名前を覚えていたんですが、たまたま本屋さんで彼の本を発見。そもそもパーマカルチャーって何?というところから、都会でも実践出来る無理のない持続可能な暮らしのHOW TOが紹介されています。暮らしを楽しく、より生産的に生きるヒントがたくさんです。」

カタネトモコさんセレクト

『ノラや』(内田百閒/中公文庫)

「文豪・百閒先生が愛猫のノラとクルツのことを日記形式で綴った随筆集。私は特に猫好きなわけではありませんが、百閒先生と一緒に、いなくなってしまった先生の愛猫・ノラを想って泣きました。人間のひたむきさと、あふれんばかりの愛情を感じる一冊です」

TOPへ戻る