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未知の世界に飛び込んでみたくなるシーズンディスプレイ

2023.06.23

ルミネの6月15日(木)〜のシーズンディスプレイは、「Phygital Fantasy - 未知との遭遇」がテーマです。世の中の技術が発達し、ここ数年で大きく進化した仮想世界。リアルとバーチャルの境界線を縦横無尽に行き来して、自分の居心地のよさを追求したり、ほしいものを手に入れたりと、これから世界はどこまでも広がっていきます。

ルミネ各館では、そんな新たな世界を想像させるシーズンディスプレイが7月19日(水)まで展開中。
アートディレクションを担当したのは、これまで数々のファッションブランドのヴィジュアル・マーチャンダイジングを手がけてきたVMS - VISUAL MERCHANDISING STUDIO株式会社代表の堀田健一郎さんです。今回のシーズンディスプレイのコンセプトやそこに込めた思いについて聞きました。

“次”への扉の先にある、見たことのない世界へ

ヴィジュアル・マーチャンダイジングにおいて、コンサルティングやマネジメント、デザイン、施工など、その全てを専門領域とする堀田さんは、「Phygital Fantasy - 未知との遭遇」という今回のテーマをどのように受け取り、表現していったのでしょうか。

「まず2023年春夏の大きなテーマである『Explore the Next - “次”への扉を開くとき』が、非常に共感できるテーマでした。私の娘がちょうどルミネのお客さまと同世代で、まさに自分との対話を繰り返して、新しい扉を開いていっている年頃だということもあるかもしれません。ウィンドウのテーマである『Phygital Fantasy - 未知との遭遇』に対して最初は難しいお題だなと感じましたが、やはり娘の世代というのは、私たちよりも簡単に、自由にリアルとバーチャルを行き来できるんですよね。そういう姿が身近にあったので、仮想現実などの見たことのない世界に繰り出そうとしている彼女たちに対して、どんなアプローチができるかなと考え始めました」

“phygital”とは、フィジカル(physical)とデジタル(digital)をかけ合わせた造語であり、その両方の要素を兼ね備えた体験の提供です。そこに“fantasy”が加わった、わたしたちにとって未知の新たな世界。堀田さんはディスプレイの中に2つの異なる世界を表現しました。

新しい気持ちになれるエネルギーに満ちた空間を

「現実世界と新しい世界の境界を超え、次の扉を開いて一歩踏み出していこう、というのがデザインのコンセプトになっています」と堀田さん。どこまでも続くような色鮮やかなピクセルの空間がパッと視界に飛び込んできます。

「デザインのパターンや使っている手法は、どちらかというと基本的な構成方法で組み立てています。ウィンドウの空間をふたつに分けて、奥に現実世界、手前に未来的なファンタジーの世界をつくり出し、丸いゲートを通じて双方の世界をつなぎました。ゲートの先に広がる新しい世界は、ゲームのような世界観でピクセルを用いたデザイン。カラフルでエネルギッシュなグラフィックで演出しています。また、AIが持ち得ない“人間味”をマネキンで表現しましたが、それも新しい世界に飛び込んだ先にある、未知の出会いを感じさせるデザインの要素となっています」

“次”への扉を開くように、ゲートをくぐって新しい世界へと前進する人。その姿が鮮やかなピクセルの空間に際立ち、壁や床から押し出されて浮かび上がったようなキューブのディスプレイも印象的な今回のウィンドウ。異なる世界を跨いで未知の世界に飛び込んだような、そんな気持ちにさせられます。ルミネを訪れウィンドウを見たお客さまに、「どんどん新しい気分になってもらいたい」と堀田さんは言いました。

「コロナ禍を経て一歩を踏み出すタイミングだと思うので、まずはカラフルなディスプレイを見て元気になったり、新しい世界に向かってチャレンジする自分を重ねて見てもらえると嬉しいです。また、新しいことにチャレンジするときには、さまざまなつながりが大事だと思います。今回のシーズンディスプレイは、まさにチームみんなでアイデアを出し合い、助け合いながら、楽しんで取り組めたプロジェクトでした」

ワクワクする新しい季節の到来と、まだ見ぬ世界への期待と不安。どんな気持ちも受け止めてくれそうな、前向きなエネルギーを感じることのできるシーズンディスプレイです。思い切って扉を開き、見たことのない世界に飛び込んで、新しい自分を見つけにいきませんか。
期間/2023年6月15日(木)~7月19日(水)予定
ウィンドウテーマ/Phygital Fantasy - 未知との遭遇
実施館/ルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ルミネ有楽町、ルミネ北千住、ルミネ池袋、ルミネ立川、ルミネ町田、ルミネ荻窪、ルミネ大宮、ルミネ横浜

<クレジット>
Art Direction & Design / VMS – Visual Merchandising Studio 堀田健一郎 Kenichiro Hotta @vms.japan
Design / 佐藤陽彦 Akihiko Sato

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