LUMINE MAGAZINE

SCROLL

LIFESTYLE

 

きょうは本屋に寄って帰ろう/Vol.2(選者:小谷実由さん)

2023.07.21

本を愛するあの人が、ルミネのシーズンテーマを切り口におすすめの本を紹介するこの企画。今回はモデルの小谷実由さんにセレクトしてもらいました。
テーマは「Itʼs My Style - 自分流クラシック」です。独創性がより重視されているいま、“自分らしさ”についてあらためて考えてみませんか? 自分のなかで変わらないもの、変えたいことを明確にして、よりよい自分にアップデート。そうすると、ファッションも暮らしももっと前向きに、もっと楽しくなりそうです。
小谷さんが選んだ3冊は、自分らしさを考える糸口になるかもしれません。きょうの帰り道、本屋に寄ってみませんか?

『「美しい」のものさし』著:AYANA(双葉社)

「美容だけではなく、何かの方法が書かれている本を読むのは好きだけど、果たしてこれを頭に入れたところでどのくらい自分がそれをうまく使いこなすことができているのだろうと不安になったりもする。やってみたいことやなりたいものを自分のものにするにはどうしたらいいんだろうと私はいつも考えています。

AYANAさんは常に多角的な視点で全ての人やものに対して意識を投げかけている人。この本を通して彼女の美意識に触れたとき、新しいものを取り入れようとする自分の肩の力がふわりと抜けたような安心感に包まれました。

本来の自分と結びつけるように新しいものと向き合うことができたら、きっとどんなことも自分のものにできそうです」

『かえるの哲学』文・絵:アーノルド・ローベル、翻訳:三木卓(ブルーシープ)

「小学校の国語の教科書で初めて出会った、がまくんとかえるくん。
二人はいつも仲良しで、日々お互いのことを大切に思う。そんな二人の他愛のない毎日は、立ち止まって考えるとハッとする言葉たちで溢れています。

この本は、何気なく彼らが言った50の言葉たちの連なり。絵本では前後関係のストーリーがあることで、頭の中をするりと通り過ぎてしまう言葉も、それらの言葉が独立して目の前に飛び込んできたとき、何かを思い出せたら嬉しいなと、私はいつもランダムにページをめくっています。

まるで自分のなかにいる、がまくんとかえるくんの存在を探しているようです」

『ねにもつタイプ』著:岸本佐知子(筑摩書房)

「タイトルがあまりにも自分の性格とシンクロしている気がして、これは絶対に読むべきだと内容も何も見ずに直感で出会った本。

タイトルからは想像できなかったじわじわと引き込まれる世界観、でもなんだか親近感がある。わからないのに、わかるという感覚によってすごく愛おしい気持ちで読み続けてしまう。

私も同じようなこと考えたことがある!と同志を見つけたときのような気持ちの高揚。こんなことを考えているのは自分しかいないだろうという孤独感から救われたような、もっと考え続けていいんだと自信が持てたような、許しを得たような自由を感じます」


小谷実由
ファッション誌やカタログ・広告を中心に、モデル業や執筆業で活躍。一方で、さまざまな作家やクリエイターたちとの企画にも取り組む。猫と純喫茶をこよなく愛する。愛称はおみゆ。2022年7月に初めての著書であるエッセイ集『隙間時間』(ループ舎)を刊行した。
https://www.instagram.com/omiyuno/


※該当書籍の取り扱いは各店舗へお問い合わせください

TOP