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コーヒーの出し殻がビールに「VERVE COFFEE ROASTERS」の誰もが幸せになれるコーヒー

2023.11.14

2016年に日本に初上陸した、カリフォルニア・サンタクルーズ発のコーヒーブランド「VERVE COFFEE ROASTERS」。農家との公正な価格取引や環境を守る活動など、クリーンなビジネスを保ちながら、コーヒー本来のフルーティーな味わいの魅力を伝え続けています。さらに、コーヒーの出し殻をビール造りに活用するなど、食のアップサイクルにも挑戦しています。数々の取り組みについて、広報の西川未来さんにうかがいました。

「サードウェーブコーヒー」の注目株

コーヒー好きの人なら、「サードウェーブコーヒー」という言葉はピンとくるはず。これは、アメリカのコーヒー文化における「第三の潮流」を表す言葉。第一の「ファーストウェーブコーヒー」は、コーヒーの大量生産・大量消費が始まり、世界中にコーヒー文化が広まった、19世紀後半から1960年代までを指す。70年代からは第二の「セカンドウェーブコーヒー」と呼ばれる時代がスタート。コーヒーをライフスタイルのひとつと捉え、上質でスタイリッシュな味わいや飲み方が好まれるようになった。いわゆる「シアトル系」と呼ばれるカフェやコーヒーチェーンに象徴される。

そして、2000年くらいから現在に至るトレンドが「サードウェーブコーヒー」だ。産地や農園ごとに細かくロット(※1)を分けた、生産者の顔が見える「シングルオリジンコーヒー」であること。浅煎りで豆の個性を引き出すこと。生産者とフェアな取引をし、各工程のトレーサビリティー(※2)が保たれていることなどが特徴としてあげられる。ここ日本では、2015年頃からブームが続いている。

そんな「サードウェーブコーヒー」のなかでも、バリエーション豊かなメニューと居心地のいい空間で人気を集めているのが「VERVE COFFEE ROASTERS」だ。アメリカの「サーフカルチャー発祥の地」といわれるカリフォルニア州サンタクルーズ発のコーヒーブランドで、2016年4月に日本1号店を、東京・新宿の「ニュウマン新宿」にオープンし、現在は恵比寿や六本木などにも店舗を構えている。

日本国内の「VERVE COFFEE ROASTERS」で唯一、焙煎所を併設している、神奈川県の北鎌倉店。緑に囲まれたすがすがしい空間でドリンクやフードを楽しめる

コーヒー本来のフルーティーな味わい

「VERVE COFFEE ROASTERS」が掲げているメッセージは「COFFEE IS A FRUIT」。コーヒー豆は実際には豆ではなく、「コーヒーノキ」という植物の実の中に入っている種。「コーヒーノキ」の実は「コーヒーチェリー」と呼ばれ、名のとおりチェリーのような酸味がある。そのため、コーヒーもほんのり甘酸っぱく、フルーティーなのが本来の味わいだ。

「日本では長らく、深煎りのコーヒーが楽しまれてきました。一方、浅煎りのコーヒーには、複雑で甘酸っぱいフルーティーな味わいや、産地によって異なる風味を感じていただけるという、また別の魅力があります」と語るのは、同社広報の西川未来さん。「日本にもサードウェーブコーヒーの波が来ていますが、文化として浸透しているかというと、まだまだです。コーヒーが本来持つフルーティーなおいしさを楽しんでいただきたいと思っています」

今回取材に訪れた「VERVE COFFEE ROASTERS KITAKAMAKURA」は2020年6月にオープン。同ブランドの日本国内の店舗では唯一の焙煎所を併設していて、焙煎マシンを囲むように備えられたカウンター席からは、焙煎作業を見学しながらドリンクやフードを楽しめる。

「念願の焙煎所ができたことで、豆を日本独自のレシピで焙煎した、新鮮なコーヒーを提供できるようになりました。特に人気があるのは『ストリートレベル』。フルーティーでありながら日本人の口によく合うようにブレンドしています」

「VERVE COFFEE ROASTERS」の広報担当の西川未来さん

コーヒー農家を取り巻く課題を解決するために

「VERVE COFFEE ROASTERS」がもうひとつ掲げているのが、「Farmlevel(ファームレベル)」という言葉。これは、一杯のコーヒーが農家から飲む人の手元に届くまでのすべての工程に対し、高い倫理観を持って積極的に携わるという、同ブランドの指針を表すもの。「コーヒー農家の過酷な労働環境や搾取による貧困は、長らく問題視されてきました。その課題を解決するための私たちの取り組みを表す言葉です」(西川さん)

具体的な取り組みとしては、コーヒー農園と直接取引をして公正な対価を支払うこと、コーヒーが育つ農園がある森林とその環境を守り、質の高いコーヒー栽培を持続可能にするサポートを行うことなど。2019年のアースデー(4月22日)には、コロンビア北部の次世代コーヒー農家と提携し、コーヒーの苗木6万本を植樹する「ナーサリープロジェクト」を実施。プロジェクトで育ったコーヒーの売り上げの10%はこのプロジェクトに還元される。

「コーヒーの生産者のほとんどは小規模農家。彼らは世界的なコーヒーの低価格化や気候変動による影響など、多くの課題に直面しています。私たちはコーヒーを売る者としての当然の役割として、クリーンなビジネスを持続し、彼らの暮らしがよりよくなるためのサポートをしていきたいと考えています」

「VERVE COFFEE ROASTERS KITAKAMAKURA」では焙煎作業を見学できるカウンター席が人気

廃棄食材をおいしくアップサイクル

全店で一杯ずつ丁寧にハンドドリップされるコーヒーは、シングルオリジンが常時4~6種類、ブレンドが5種類。また、季節限定のラテもあり、この時期は「金木犀(きんもくせい)ラテ」や「ローズマリーハニーラテ」を楽しめる。さらに、コーヒー以外にも、高品質の紅茶や京都に本店を構える日本茶専門店「一保堂茶舗(いっぽどうちゃほ)」の緑茶、オーガニックのコンブチャなど、気になるメニューがいっぱい。そんななかでも目を引くのが、「カスカラ」という謎のドリンク。はたしてこれは……?

「カスカラとは、コーヒーチェリーから種子を取ったあとに残る果実や皮の部分。通常は廃棄されてしまうことが多いのですが、ビタミンやポリフェノールが多く含まれている優秀な素材です。そのカスカラを自然乾燥させて熟成させたコーヒーチェリーティーですね。さわやかな味わい、すっきりとした後味が好評です」(西川さん)

さらには、コーヒーの出し殻を用いた「コーヒービール」を造るという新たな試みもはじめている。出し殻はコーヒーを抽出した後に残るもので、カスカラと同じく廃棄されがちだ。今年10月にはニュウマン新宿によるオリジナルビールを造るプロジェクト「SHINJUKU HOP PROJECT」とコラボレーションしたビール「SHINJUKU GOOD VIBES ALE」(税込み1,320円)が発売に。こちらはニュウマン新宿の「VERVE COFFEE ROASTERS」などで購入できる。

今後はそういったコーヒーにまつわる廃棄食材を飲料以外の用途にもアップサイクルするなど、さまざまな活用法を検討していきたい、と西川さん。「アップサイクルは、もはや『やることが当たり前』のもの。今後もあらゆる可能性を模索しながら、誰もが幸せになれるコーヒーを提供していきたいです」

※1 製品を生産・出荷する際の最小単位のこと
※2 製品が「いつ、どこで、誰に作られたのか」確認できるシステムのこと

コーヒーの出し殻をアップサイクルして、コーヒービールに

■VERVE COFFEE ROASTERS

「SHINJUKU GOOD VIBES ALE」はニュウマン新宿の下記店舗で販売

<物販>
1F 「AKOMEYA TOKYO」
2F エキナカ 「MINI by FOOD&COMPANY」

<飲食>
2F エキソト 「VERVE COFFEE ROASTERS」
2F エキソト 「サナギ新宿」「800°DEGREES NEAPOLITAN PIZZERIA」
2F フードホール 「OysterBar wharf」「SALON BUTCHER&BEER」
4F 「GARDEN HOUSE」
6F 「ROSEMARY'S TOKYO」

>> ルミネ・ニュウマンのショップはこちら
※本記事は2023年11月14日に『telling,』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。

Text: Kaori Shimura, Photograph: Ikuko Hirose, Edit: Sayuri Kobayashi

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