LUMINE MAGAZINE

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FOOD

「食」や「暮らし」を通じたライフスタイルのご提案

LUMINE AGRI PROJECT

“おいしい”の先にストーリーがある。
都会と農園をつなぐマルシェ

2020.08.31

「LUMINE AGRI PROJECT」は、農業をテーマに食文化を提案するプロジェクトです。
新宿駅でのマルシェをはじめ、こだわりの農作物を集めたネットショップ、食に関するワークショップなどの活動で大切にしてきたのは、生産者や産地とつながるきっかけをつくること。おいしいものを食べるだけでなく、くだものや野菜の背景にある物語や、農家の想いに触れることで、暮らしはもっと豊かになるはずです。

2018年のスタートから2年、プロジェクトはどのように広がってきたのでしょうか? 立ち上げのときからルミネと一緒にLUMINE AGRI PROJECTをつくりあげてきた、「でいたらぼ」の宮川博臣さんにお伺いました。

いつもの駅で生産者と触れ合える

私たち「でいたらぼ」は、山形の生産者さんを中心にした青果物の流通事業と、農業に関するプロジェクトのお手伝いをするアグリパートナー事業をやっています。LUMINE AGRI PROJECTはアグリパートナー事業のひとつ。ルミネさんと一緒にいろんなことを話し合いながら、手探りでつくってきました。

最初にルミネさんのお話を聞いて感じたのは、都会で働く女性たちに、もう少しだけ豊かな生活をつくっていくきっかけを与えたいのだということ。首都圏で忙しく働く人のなかには「普段の夕食はコンビニのお弁当です」っていう方も多いですよね。そういう人たちの身体、そして心を健康にするための食との接点をつくりたいと考えたんです。

それで、新宿駅で「LUMINE AGRI MARCHE」というマルシェを始めることにしました。開催は毎月1回、第4木曜日から日曜日の4日間。旬のくだものや野菜を並べるのはもちろん、いちばんの特徴は、生産者さん自身がお店に立っていることです。新宿は1日の乗降客数が世界一の駅。多くの人にとっての“日常”の場所で、農家さんや農作物と出合うことができるんです。

外食やテイクアウト中心の生活だと、野菜そのものを手に取る機会すらないわけですよね。そうすると、野菜やくだものを、ただのモノのような感覚で受け入れていくようになります。でも実際は、その先に生産者の生活があって、苦労があって、想いがある。生産者さんと触れ合ったら、そのことを知ってもらえるんじゃないかと思いました。片道2時間を使って地方の農園に行くのはなかなか難しいので、都会のど真ん中でそれができるっていうのは、やっていてすごく価値のあることだなと感じます。

出店者は、顔が見えて会いに行ける人だけ

新宿駅から始まったマルシェは、現在「800°DEGREES NEAPOLITAN PIZZERIA 南青山店」でも毎月第2土曜日に定期開催、さらに、ニュウマン横浜6Fの「2416MARKET」でも不定期でやっています。

場所を問わずこだわっているのは、出店者の選定です。出店者を決めるのにはいくつかのルートがあるのですが、一番多いのは私が農家さんに直接お声がけする方法でしょうか。私は日々全国の農家さんをまわっているので、そのときに。

最近は出店希望の問い合わせも増えてきたんです。でも、海外の農作物を加工して売っているとか、青果市場でいろんな農作物を買い集めて売っているという方も多くて、そういう場合は断ることにしています。

もちろん、出店者を増やして広がりをつくることも大事ではあるんですが、LUMINE AGRI MARCHEは、商品の先にある生産者や生産地の地域とつながることが大事なので、顔が見えたり、実際に足を運ぶこともできる国内の生産者、あるいは生産者に極力近い人に絞っています。

忙しい農家さんを都会のマルシェに招くっていうのは非常に難しいので、ふうつは生産者さん自身は参加しないケースが多いんですね。LUMINE AGRI MARCHEもまだ、お店に立っている人の全員が生産者なわけではないのですが、それでもできるだけ生産者に近い人たちに参加してもらうようにしています。生産している人たちの気持ちをお客さんに伝えたいという想いから、貫いてきたこだわりです。

マルシェが少しずつ日常の一部に

お客さんがLUMINE AGRI MARCHEで知り合った農家さんに直接問い合わせを入れることもあるそうで、長野や福島から出店してくれた生産者さんからは、お客さんが農園に来て収穫体験をしていったという話も聞いています。マルシェをきっかけにしてそういうつながりがつくれたのは本当にうれしいですね。

私たちもときどき「でいたらぼ」として出店していまして、山形の生産者さんたちがつくった野菜を並べています。特に人気なのはミニトマトで、今まで売り切れにならなかったことがない。試食した方から「ミニトマトってこんなにおいしいの!?」って驚いていただけることがすごく多いです。
それってたぶん、私たちとの会話を通して、生産者さんの想いが伝わったからだと思うんですよね。そういうことが、少しずつでも広がっていったら素晴らしいなと思います。

新宿のど真ん中で開催するわけなので、マルシェを立ち上げるまでには語り尽くせぬほどの課題と苦労があったわけですが(笑)、おかげさまで今ではお客さんも賛同いただける農家さんもずいぶん増えました。

一時はコロナで中止していたんですが、こないだようやく再開できて店に立っていたら、「久しぶりだから嬉しいわ」と言ってくれる方がいらっしゃったりして。そういうのを見ると、LUMINE AGRI MARCHEが少しずつ生活のなかに定着して、受け入れられているのかなと感じます。

ネットマルシェでの新しいチャレンジ

マルシェの次の展開として、2019年11月からネットショップを始めました。商品のラインナップはまだまだ広げていく余地がありますが、日本でトップクラスの生産者の商品を食べていただけるように頑張っています。

特に月替わりの「いろどりくだもの」は思い入れが強くて。ふつう、通販できゅうりを産地直送で買うとなったら、40本入っていたりしますよね。でも、そんなに食べきれないし、いろんなものをちょっとずつ食べたいという人が多い。そういうニーズに応えるために、5つ前後の農園から1種類ずつくだものを集め、それを詰め合わせにしたものです。つまり、種類も生産者も異なるくだものが5つ入っている(※)ということ。

※時期により、種類と商品数は変わる場合があります。

生産者さんへの発注は私が行っているのですが、これがなかなかシビれる仕事です(笑)。詰め合わせなので、サイズの異なるくだものを痛まないよう隙間なく詰めるとか、これとこれを一緒にすると劣化してしまうとか、いろんなことを考慮しなければなりません。それから、生産者さんに「来月のこれくらいに出荷したいんだけど、収穫できそう?」と電話すると「わからないですよ、天気もよくないし」なんて言われることもあって。そんなやりとりを繰り返しながらも、なんとかやっています。

生産者と消費者に、お互いの気持ちを知ってもらいたい

農作物は生き物なので、どうしても天候に左右されるところがあります。最近は異常気象が続いていますし、いいものを予定通りの時期に届けるというのは、年々難しくなっていくかもしれません。

やり方は工夫していく必要がありますが、一方で、マルシェでの会話を通して、そういう状況も消費者の方にわかってもらいたいという気持ちがあるんですよね。

たとえば、コロナでマルシェを中止していた時期に、早く再開してほしい、畑になっているものを早く売りたいんだと言ってくれる生産者がいて。消費者には、生産者の人たちはおいしいものを食べてもらうために頑張っている、だけど天候やいろんな事情でうまくいかなかったりすることもあるんだっていうのを理解してもらいたい。反対に生産者には、あなたのつくったものを食べたいと思ってくれている、待ってくれている消費者がいることを知ってもらいたいんです。

駅ビルという特別な場所を持っているルミネだからこそ、リアルでのマルシェと、ネット上でのマルシェをシームレスにつなげていくことができると思います。ルミネは首都圏が中心ですが、地方のものを首都圏で売ることを通して、首都圏の人が地方に広がっていってもいる。遠くの地域とつながるためには、食文化や名産品、農家は大きなきっかけになると思うので、これからももっとその機会を増やしていきたいですね。


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<LUMINE AGRI MARCHE>

▼新宿駅
開催日:毎月第4木曜日〜日曜日
営業時間:木~土曜日13:00~20:00、日曜日11:00~18:00
開催場所:JR 新宿駅ミライナタワー改札外(ニュウマン新宿 2F エントランス前)

▼南青山
開催日:毎月第2土曜日
営業時間:12:00~17:00
開催場所:800° DEGREES NEAPOLITAN PIZZERIA 南青山店(東京メトロ表参道駅 A5出口 徒歩3分)

※開催中止または開催時間を変更する場合があります。詳細は「LUMINE AGRI MARCHE」公式のInstagramFacebookをご覧ください。

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