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2416MARKET

人とのつながりで育まれていく。神奈川の知られざるモノ・コトを集めた2416MARKET

2021.06.30

ニュウマン横浜6Fにある「2416MARKET」。野菜からコスメ、作家ものの器、日用品まで、神奈川生まれのアイテムが揃うこの場所は、さまざまな“人のつながり”に支えられています。この場所はどのように育まれ、地元の人に愛されてきたのでしょうか。これまでの1年間とこれからの2416MARKETについて、マーチャンダイザーの武田さんにお話を聞きました。

神奈川のブランドにあふれる地元愛

2416MARKETは、神奈川にある個性的なモノ・コトを独自の目線でセレクトし、発信する新しいスタイルのマーケット。県内のベーカーから毎朝パンが届く「BAKERY」、オールデイダイニングの「PASTA&」、産直野菜や雑貨が並ぶ「THINGS」、ワインとお酒の「CAVE」など、7つのショップ&レストランが広々とした空間に集まっています。

マーチャンダイザーの武田さんは、「“2416”の数字が意味するのは神奈川県の面積。『もっと地元が好きになる』をコンセプトにしています」と話します。

「神奈川には、さまざまな個性をもつ地域、くらし、そしてモノやコトがあります。神奈川のローカルブランドをフィーチャーし、地元の人たちに届けたい。そんな想いを形にするために、2416MARKETは2020年6月にオープンしました。
ローカルなものを扱っているからこそ大事にしているのは、人とのつながりです。たとえば地元の農家さんとつながって、その方にまた別の生産者さんを紹介いただいたりと、数珠つなぎのようにネットワークが広がってきました」

雑貨のデザイナーや地域に根づいたアパレルブランド、歴史ある水産業者など、つながる人はさまざま。武田さんはかならずその人のもとに足を運び、どんな場所でものづくりをしているのか、お店はどんな雰囲気なのかなどを実際に見て、感じることを大切にしているといいます。

「各地でいろんな方とお話しするなかで感じたのは、神奈川には『自分の生まれた土地で仕事をしていきたい』というこだわりを持っている方が多いこと。同時に、実は神奈川には、マルシェなど地域の小さなイベントがすごく多いんですね。そのなかで濃密なコミュニティを築いているというのも、神奈川のブランドの特徴かなと思っています」

手前から、IICHI MISO《神奈川ブレンド》864円、梅みそ540円、金山寺みそ378円、辛味噌だれ518円。すべて小田原にある味噌蔵、加藤兵太郎商店のもの。

気に入った食材を自宅でも。PASTA&のユニークなメニュー

2416MARKETに並ぶアイテムは、質が高いのはもちろん、遊び心のあるデザインも魅力です。「かわいらしいパッケージをきっかけに手に取り、そこからブランドや作り手のことを知ってもらったりと、もう1段階興味を深めてもらえたらうれしいですね」と武田さん。普段はスーパーマーケットで買う人が多い調味料も取り揃え、いつもと違うものを使ってみようかなとワクワクするような空間になっています。

また、三浦にある丸清製麺所のオリジナルの麺を使ったパスタと、地元の旬な野菜や食材を使用した料理が楽しめる「PASTA&」では、メニューの多くに店内で販売している商品を使っているのが特徴です。

「PASTA&で食べて気に入った食材を、帰りに買って自宅でも楽しんでいただけるようにできたらと思いました。お味噌を使ったパスタなど、意外性のある食材を組み合わせたメニューもあります。新しい食べ方を提案することで、『お店で売っているあのお味噌がこんなふうになるんだ』と興味を持っていただける機会になっていると思います」

PASTA&でいただける、湘南潮彩レモンのクリームカルボナーラ1,280円とリコッタチーズとストロベリーミルキークレープ1,000円、フルーツハニーレモネードスカッシュ(キウイ)750円。

神奈川にはローカルな文化が根づいている

もともと神奈川にはゆかりがなかったという武田さん。各地を訪ねるなかで、さまざまな発見があったといいます。

「神奈川の人は地元が好きなイメージは以前から持っていましたが、それは美しい海があるなど、環境が魅力的だからなのかなと思っていました。でも実はそれよりも、独自のローカルの文化がしっかり根づいていることが大きいとわかったんです。そのなかでいろんなブランドがどんどん成長しているし、みなさんすごくバイタリティがある方ばかり。自分の想いを発信したい方が多いとすごく感じています」

なかには、本店以外に商品が買えるのは2416MARKETだけというブランドもあります。なかなか遠くに出かけられないコロナ禍の状況下で、お客さまから「遠方の本店に行けなくても2416MARKETで買えるのでうれしい」と言っていただいたり、ブランドがお客さまから「そちらに行けないので、どこか買える場所はありませんか?」という問い合わせを受けて2416MARKETを案内することもあるそうです。

葉山のライフスタイルショップSUNSHINE+CLOUDのロゴTシャツ6,600円。

いつも新しい出会いがある場所へ

この1年を振り返り、「お客さまから『地元のいいものがたくさん選べて楽しい』という声を非常に多くいただきます。これからは、より日常づかいができるショップにしていきたいです」と武田さん。

そのために意識しているのは“目新しさ”。現在は約3週間のサイクルで新しいブランドのアイテムを入れ、足を運ぶたびに発見があるようなショップづくりを大切にしているといいます。

「夕食に使う地元農家の野菜を買う。今は会えない友だちにギフトを選ぶ。いろいろな目的でふらりと立ち寄り、思いがけない出会いが生まれる場所にしていきたいですね」

1周年の限定コラボ商品。いいちみそとピーナッツのクッキー400円(左)、熊澤酒造の酒粕と黒七味と柑橘のクッキー280円(右)、7days coffee 3,980円(奥)。

1周年記念イベント「ワンダーカナガワ」を開催中

2416MARKETでは2021年7月25日まで、オープン1周年を記念した「ワンダーカナガワ」を開催しています。「あなたがまだ知らない神奈川を探そう」をテーマに、限定のメニューやポップアップショップが登場。なかでも注目は、神奈川のブランド同士がコラボレーションした限定アイテムです。

「たとえば、藤沢のトマト農園『井出トマト農園』と焼き菓子店『めぐみ焼菓子店』がつくったトマトジャムなどがあります。神奈川のものを掛け合わせて商品をつくることはサステナブルにもつながると思うので、いろんな人たちの力を借りながら、私たちがハブになってコラボレーションできる場所にできるといいなと思いました。今回の取り組みをきっかけに、駅にあるという立地のよさをみなさんに大いに活かしてもらえるようになれたらいいですね」

>> 「ワンダーカナガワ」の特設サイトはこちら

2416MARKETの今後について「短期間のポップアップショップを定期的に展開していけたら。ここに来ればいつも新しいブランドと出会える、そんなイメージを定着できたら、もっと神奈川のブランドのよさを広めることができるんじゃないかと思います」と武田さん。これからも、2416平方キロメートルのどこかにある、いいモノ・コトを探す旅は続きます。


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2416MARKET
神奈川県横浜市西区南幸1-1-1 NEWoMan YOKOHAMA 6F
11:00〜20:00
※当面のあいだ営業時間を短縮させていただきます。詳細は各ショップまでお問い合わせください。

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