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ひとりでに咲いて枯れるもんか。

2023.08.24

清々しいくらいどこまでも続く大地と、これから始まる新しい世界。多様な人たちとつながり合い生きるこの世界で、まだ見ぬ未来に向かって自分らしい一歩を踏み出したくなる、2023年秋のルミネ広告ができました。

世界の中のわたしを捉え直す

2023年秋冬のテーマは、「Re-Design わたしを再構築する」。社会の動きがさまざまな制限から解放されたいま、あふれ返る情報に多くの人が期待と不安を抱えながら、目指すべき未来を模索しています。自分自身をもう一度世界の中に位置づけて、“わたしの軸”を捉え直す時期がやってきました。

壮大な自然の中でまっすぐに前を見据える主人公は、まさにこれから再び世界とつながり、前を向いて進んでいこうとするわたしたち自身です。なにをして生きていきたいのか、本当に大切にしたいものはなんなのか。荒野に咲く一輪の花のように、好きなファッションに身を包み、殻に閉じこもらずに周りを見渡して、自分の軸を感じながら未来に向かいたい。静かな決意のうしろにある熱いスピリットが、ビジュアル全体から伝わってきます。

そこに重なるのは「ひとりでに咲いて枯れるもんか。」という力強いコピー。制限のない自由は本当はちょっと怖いけれど、それでも目を逸らさずに堂々と前を向いていたい。そんなすべての主人公に向けて、咲かせたい未来へのエールが込められています。

広大なスケール感のなか、強い決意を感じるまなざしとコピー

新しいわたしを形づくる、新しい季節のファッション

広大な大地で風を受けて立つのは、モデルの吉井紅さん。遠目にも意志を感じる表情や凛とした佇まいにハッとさせられます。吉井さん自身の存在感とともに目を引く、強さとかわいらしさが同居する衣装もこのビジュアルを大きく印象づけています。季節が移り変わるたびに自分の“好き”をとことん楽しめるファッションは、いまを生きる、そしてこの先へと向かう自分への意思表明でもあります。

ムービーでは照りつける太陽の下、鮮やかな赤いスカートをまとった吉井さんが、迷うことなく荒野を進んでいきます。カメラの前に立ち前を向く彼女は、思わず共感し応援したくなるような、決してつくりものではない等身大の主人公でした。
解放感にあふれた夏が終わり、新しい季節がやってきます。これまでと同じではない世界のなかで、あらためて自分が咲かせたい花を見つめ直し、“新しいわたし”のファッションを楽しんでみませんか。


COMMENT
尾形真理子さん/クリエイティブディレクター、コピーライター

「自分をリデザインする」というのはとてつもなく難しそうに感じますが、
今こそ「なりたい自分になってみる」と考えれば、意外とシンプルかもしれません。
わたしたちは「なりたい自分」と向き合うとき、
鏡の中の自分をじっとみつめても、悩みは深まるばかりで答えはみつからない。
これからどういうふうに生きたいか。
これからどんな関係を結びたいか。
空の下で、風を感じながら、大きく深呼吸する。
この世界でどんな人間になっていくのかを、世界を感じながら考えてみる。
「なりたい自分」は、いつだって上書き可能なのだから、
日常のふとした瞬間に「Re-Design」のチャンスはあるのだと思います。


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Creative Director/Copywriter:Mariko Ogata
Art Director/Designer:Ken Okamuro
Photographer:Toshio Ono(@ph_o.h.n.o
Cast:Beni Yoshii(@benixs__
Stylist:Noriko Sugimoto(@norikosugimoto
Hair/Make up:Megan Maxwell
Coordinator:Tony Fry
Production:Headlight
Producer/Director:Takashi Aso


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