LUMINE MAGAZINE

新しい一歩を踏み出すときに大切なのは、自分をしっかり持つこと。ルミネの秋のシーズンビジュアルは、澄んだ空気が心地良い季節にふさわしい、しなやかな強さとアクティブさを表現した作品になっています。

今回のテーマは「Intelligent Optimism -賢く楽観主義」。

相変わらず世界は激動のなかにありますが、一方でポジティブに未来をつくりあげていこうという前向きなムードも強まっています。そんないまだからこそ大切なのは、“自分”をしっかり持つこと。自分の軸さえぶれなければ、どんな状況にでもしなやかに適応しながら、思い描く未来に近づくことができるのではないでしょうか。

とはいえ、“軸”という言葉に固執し、凝り固まってしまうのもつまらないもの。ときには自分の好きな世界に没入したり、自分らしくいられる場所で過ごしてみたり。賢く自分時間を使い分けながら、楽観的かつポジティブにいまを楽しんでいこうというメッセージが込められています。

ビジュアルで描かれているのは、木に登り、誰かが飛ばしてしまった風船に果敢に手を伸ばす女の子。モデルを務める女優の中西希亜良さんの一生懸命な表情と勇気ある行動に、思わず応援したくなってしまいます。スーパーヒーローのような大活躍はできなくても、自分の手の届く範囲で動き出すことで、世界を少しでもよくしていけたら。それが自分以外の誰かのためであれば、なおさら意義深いものになるはずです。

添えられたコピーは「やさしさの正体が、半分ぐらい勇気だとしたら。」。“やさしさ”は目に見えないものですが、それは「誰かのために動ける勇気」なのかもしれません。たとえ些細なことでも誰かの力になりたいという心ある行動ができる人こそ、“日常のヒーロー”。そんな存在への憧れが表現されています。

撮影はオーストラリアのシドニーで行われました。本来は到着の翌日が撮影日でしたが、天候の関係で急遽着いたその日に撮ることに。

空港からそのままロケ地である公園に向かい、メイクや着替えと目まぐるしいスケジュールとなりましたが、春夏から引き続いて同じスタッフということもあり、中西さんもリラックスして撮影に臨むことができたそう。しかし、実は高所が得意ではなかった中西さん。木登りのシーンでは当初やや硬い表情でしたが、スタッフが総出で「がんばれ！」「もうちょっと！」と声がけしたことで場が和み、最後には自然な笑顔を見せてくれました。

一見奇抜な衣装も、行動力のあるヒロイン像にふさわしい存在感を放っています。中西さんは特にブーツがお気に入りだったそうで、撮影後にも自分のコーディネートに合わせて履いてみたりとお茶目な一面を覗かせていました。

秋は実りの季節。気持ちもいっそう前向きに、充実していきますようにとの願いが込められたシーズンビジュアルが、新たな世界へと踏み出す勇気をくれそうです。


COMMENT
尾形真理子さん／クリエイティブディレクター、コピーライター

誰かのためにアクションしている人を見ると、
なんとも言えない嬉しい気持ちになります。
後ろに続く人のために扉を押さえている人。
海外からの方に、身振り手振りで道を伝えている人。
とっさの気遣い、親切、腕まくり・・・できる人と、苦手な人。
その違いって、なんなのだろう？と考えながら、今回撮影をしていました。
氷の上で華麗にジャンプする希亜良さんが、木の上は思った以上に緊張の面持ちで・・・それでも勇気をだし、風船に手を伸ばす姿が印象的でした。
そうか・・・。もしかしたら性格でも、心の余裕でもなく、
半分ぐらいは勇気なのかもしれないなと、メッセージが生まれました。


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Creative Director/Copywriter：Mariko Ogata
Art Director/Designer：Ken Okamuro
Photographer：Masahiro Shoda
Cast：Kiara Nakanishi
Stylist：Lee Yasuka
Hair/Make up：Danielle Butcher
Coordinator：Tony Fry
Producer/Director：Takashi Aso


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