LUMINE MAGAZINE

SCROLL

SUSTAINABLE

 

"都市鉱山"のリサイクルメタルも素材に。「ete bijoux」の等身大で持続可能なものづくり

2026.01.05

2008年に誕生した「ete bijoux(エテ ビジュー)」。モダンで洗練されたデザインと上質な素材使いにこだわりながら、持続可能な未来につながる取り組みにも力を入れています。ブランドのこれまでの歩みとサステナビリティに対する思いを、同ブランドを展開する株式会社ミルクの四方英登さんにうかがいました。

遊び心を忘れない大人のためのモダンなジュエリー

普段使いしやすいシンプルなジュエリーでおなじみの「ete(エテ)」。今回フォーカスする「ete bijoux(エテ ビジュー)」は、こだわりの素材選びとモダンなデザインが特徴で、ジュエリーで自分らしさを表現したい大人の女性たちに人気のブランドだ。天然石をあしらった色鮮やかなコレクションや海外のアーティストと共作した特別なコレクションなど、クラフツマンシップに根差したアイテムが並ぶ。

eteやete bijouxを手がけるのは、大阪にある株式会社ミルク。アクセサリーの企画・製造からスタートし、1994年に自社ブランドとしてeteを立ち上げた。当初はシルバー素材を使用したカジュアルなアクセサリーを豊富なバリエーションで展開するというスタイルから始まり、時代の変化とともに、デザイン性と使い勝手のよさが両立したファッションジュエリーが揃うブランドへと進化していった。

「アイテムはアクセサリーからファッションジュエリーへと変化しましたが、アイテムのバリエーションが豊富という点は当時も今も変わりません。数あるなかからお気に入りを見つけていただきたい、という思いを込めています」(ミルク 執行役員 本部長 四方英登さん)

そして2008年、ete bijouxが誕生。四方さんいわく、「eteを立ち上げてから15年近くが経ち、eteを愛用してくださるお客さまも販売スタッフも年齢を重ねていくなかで、より大人の遊び心を感じられ、素材にも一層こだわったジュエリーを提案していくブランドが必要と考えた」そう。eteがベーシックなテイストにほんの少しプレイフルな要素を取り入れたブランドであるのに対し、ete bijouxはもう一歩クリエイティブな方向に踏み込んだものづくりが特徴。「as I am ー お気に召すまま、ありのまま」をコンセプトに、遊び心を忘れない大人の女性の「自分らしさ」に寄り添うモダンなジュエリーを展開している。

「リサイクルシルバー925」を使用したピアスとバングルは型を製作する際に生じる石膏の廃棄をなくすため板材で作られている。表面には風紋をイメージした「ウィンドパターン」が施され、鈍い光沢感がモダンな印象

包装資材の軽減のために開発したポーチが大人気に

ete bijouxの豊富なラインアップのなかには、サステナビリティに配慮したアイテムも目立つ。例えば、リサイクルメタルを使用したもの。リサイクルメタルとは不要になった家電製品や産業製品などのいわゆる“都市鉱山”から精錬・精製された金属や、ジュエリーを製造する工程で発生した端材などを再利用した金属を指す。ete bijouxではリサイクルしたシルバーを「リサイクルシルバー925」(シルバー925は銀含有率92.5%の高純度の銀合金のこと)として使用している。

また、顧客が安心してジュエリーを身につけられるように、素材を信頼のおけるサプライヤーから調達し、品質管理センターで厳しくチェック。ダイヤモンドはワールド・ダイヤモンド・カウンシル(戦闘の資金源となる紛争ダイヤモンドの利用・取引を防止する国際組織)が保証している、紛争への関与のない、原産地の透明性が高い石のみを使用している。

紙製の包装資材やギフトボックスの代わりに繰り返し使えるものを――そんな資源を大切にする取り組みの一環として5年前に誕生した「マイフェイバリットポーチ(My Favorite Pouch)」は、お気に入りのジュエリーを収納して持ち歩ける便利なオリジナルジュエリーポーチ。リング収納部分やクッション部分を取り外せばリップスティックも入り、ミラーつきなのでちょっとしたメイク直しもできるという、気の利いたデザインに仕上がっている。「すべての女性が輝けるように」という願いのもと、売上金の一部は国際協力NGO「JOICFP(ジョイセフ)」を通じて、途上国の女性を支援する募金として寄付されている。

「ジュエリー用の一般的なギフトボックスは自宅では使わない方が多い中で、何か別の提案ができないかということでこのポーチを発売しました。とても好評で、オンラインストアでは一度に注文できる個数に制限を設けているほど。毎年ホリデーシーズンには限定デザインが登場していて、そのたびに購入してくださる方も少なくありません」

ジュエリーを入れて持ち歩ける「マイフェイバリットポーチ」。ネックレスやピアス、イヤリング、リングなどをまとめてコンパクトに収納でき、旅行などの際に便利

使用済みの販促ツールがアートの素材として再生

店頭で使用したのち、不要になったディスプレイ資材などは、次世代のクリエイター育成につなげられるように美術系の大学や専門学校に寄贈しているというのも、ユニークな取り組みだ。それまでシーズンごとのディスプレイツールは全店舗から本社に回収後、廃棄処分するしかなかったが、社内のメンバーから「もったいない。どうにか活用できないだろうか」という声が上がったことがきっかけになったという。

「社内には美術系の大学や専門学校を卒業しているメンバーもいますので、彼らの母校を中心に打診をし、寄贈しています。ディスプレイツールを学生の作品を展示する際にそのまま使っていただくほか、制作用の素材として加工していただくなど、幅広い用途で使っていただいています」

また、eteとete bijouxでは店頭の販売スタッフを「ファッション感度を高くもってジュエリースタイリングを提案する存在であってほしい」との思いから「スタイリスト」と称している。百貨店内にある店舗のスタイリストはオリジナルの制服を着用しているのだが、制服はSS(春夏)とAW(秋冬)の年に2回、シーズントレンドを取り入れたデザインに刷新される。前シーズンの制服は、認定NPO法人を通じて途上国に寄付している。

天然ダイヤモンドが生まれる地質環境を再現し製造した合成ダイヤモンド(ラボラトリーグロウンダイヤモンド)も一部商品に使用。量産可能という側面もありつつ、天然ダイヤモンドに代わるものとして注目される素材だ

長く挑戦し続けるために、等身大で取り組む

「資源を大切にする取り組みは、実はずいぶん前から行っていました」と四方さんは言う。例えば、前述のリサイクルメタルもそのひとつ。金属は繊維と違い、溶かして再生しやすいことから、ジュエリー業界には金属をリサイクルするという概念が昔から当たり前のようにあったという。

「弊社ではサステナビリティについては、自分たちが実現できる歩幅で進めていきたいと考えています。頑張りすぎてしまうと、本来持続的に行うべき取り組みが、一過性のもので終わってしまうこともあるかもしれません。環境問題への取り組みやよりよい社会に向けての課題解決は、人類である以上、この先ずっとつき合っていかなくてはならないもの。末永く続けていけるように、常に等身大でありたいですね」

ニュウマン高輪にオープンした店舗では、顔の骨格やパーソナルカラーなどをもとに似合うジュエリーを診断する体験型ミラー「プラスミラー」を導入。店舗でのリアルな体験の魅力とAIの強みが共存する接客を目指す

■ete bijoux
https://www.eteweb.com/etebijoux

>> ルミネ・ニュウマンのショップはこちら
※本記事は2025年12月22日に『&Illuminate』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。

Text: Kaori Shimura, Photograph: Ikuko Hirose, Edit: Sayuri Kobayashi

TOP