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効率的で無駄のない世の中だからこそ輝く、人間の不完全さ

2026.10.01

2026年10月1日から展開されている、ニュウマンの冬のシーズンビジュアル。“Want More, Need a Break”というコンセプトのもと、秋以上に人間らしい葛藤の美しさを表しています。ビジュアルに込めたメッセージや制作の裏側について、クリエイティブディレクターの軍司匡寛さん(NON-GRID)と、映像ディレクターの山口祐果さんに伺いました。

歪むような手づくり感

冬のテーマは、秋に続いて“Beautiful Contradiction -矛盾を抱きしめる人”。どちらかを選ぶのではなく、相反するふたつの気持ちを抱えている状態こそが美しいと軍司さんは語ります。

「効率化の波に飲まれず、ただ人間が人間らしく存在することを全力で肯定する。そういう“人間賛歌”みたいなものをイメージしています。

“人間賛歌”は、僕自身が好きな言葉でもあります。昨今は、AIを使うことが当たり前になりました。AIは過去の膨大なデータを統計的に分析し、効率的で無駄のない、かつ正しい答えを導いてくれる。だからこそ、価値は『完成度』から『人間性』へと移行しています。これから希少になるのは正しさや精度ではなく、不完全さや揺らぎといった、人間にしか持ち得ない矛盾そのものです。

今回のビジュアルでも、完璧な表現ではなく、少しざらついたクラフト感を大切にしています。たとえば16mmフィルムならではの粒子感や光のノイズ、あとは手づくりの人型のプロップなども掛け合わせて、あえて歪むような手づくり感のある映像にしようと考えました」

「ONE MORE DANCE. ONE MORE DREAM.」を表現するストーリー

軍司さんはさらに、コンセプトの“Want More, Need a Break”には、欲望と休息が共存する、人間の自然な姿が表されていると語ります。

「コンセプトをわかりやすく表現したのが、“ONE MORE DANCE. ONE MORE DREAM.”という言葉です。ドレスを着て、朝までパーティーで踊り明かしたいという気持ちと、いますぐふかふかな布団に包まれて眠りにつきたいという気持ち。そんな冬の夜の矛盾を描き出したいと思いました。

ポイントは、特別に仕立ててもらった布団のドレス。インパクトがあり、ユーモラスに見せてくれているんじゃないかなと思っています。モデルのSABLINAさんが煌びやかなパーティーの余韻を楽しみつつ、勢いよくベッドにダイブする。ドレスとして着ていた布団を被り、カチューシャとして着けていたアイマスクを目元にずらすと、そこに“BOTH ME”というコピーが現れるというストーリーにしました」

また、つくり込んだ機械仕掛けの人形で、冬の寂しさをポップな印象で塗り替えていくイメージにしているそうです。

「男性の人形は、美術デザイナーの青木静香さんにつくってもらいました。シルエットやギミックがおもしろく、動きもかわいらしいですよね。

なんといっても注目は、スタイリストの小山田孝司さんと衣装担当のKANEHIROさんによるオリジナルの布団のドレスです。出来上がってモデルさんにフィッティングしてもらったときに、『めちゃくちゃいいね』と場が湧きました。材料となる布団や毛布は、近所のお店を回って探したそうです。

衣装のスタイリングはニュウマンらしさを大切にしました。実は最初、アイマスクはレースのついた煌びやかなものだったのですが、甘くなり過ぎてしまい、繊細なレースを表面にほどこす形に変更してもらいました。そういうさじ加減や方向性について、細かく確認し合えたのはありがたかったです」

一方、山口さんは撮影について「当日スタジオで見るまでは、衣装や美術の仕上がりが完璧にはわからなかった」と振り返ります。「でも同時に、とても楽しい場面でもありました」と山口さん。「各スタッフのセンスや感覚で、私の想像とは違ったアプローチが生まれ、それが良い方向に転ぶ。そうした化学反応こそが、映像制作のおもしろいところだと感じています」と語りました。

矛盾を愛し、人間らしく悩む美しさ

スチール(静止画)の撮影は「空気感を壊さず、ムービーの雰囲気のまま撮りたい」と軍司さんが担当しました。

「SABLINAさんは表情をかなり上手に表現するプロフェッショナルだったので、ムービーの雰囲気のままスチールを撮影したいと考えました。ムービーの撮影が終わった直後にシャッターを切り、できるだけムービーの質感に近づけるレタッチで仕上げています」

“ONE MORE DANCE. ONE MORE DREAM.”をテーマに掲げた冬のビジュアルを通して感じてほしいことについて、軍司さんは次のように語ります。

「相反する想いを抱える二面性をポジティブに受け入れ、“どちらも私です”と笑っていられる。それってとても素敵なことですよね。
秋、冬と一貫してクリエイティブに込めた“美しい矛盾”“人間讃歌”。ドレスに包まれて爆睡したら気持ちいいんだろうなというワクワク感、クラフト感のある美術や衣装、フィルム撮影による温かな雰囲気が伝わるといいなと思っています。冬の冷たい空気のなかで、見る人の心をじんわりと温めることができたらうれしいです」

一貫性を持つことだけが良さではない。矛盾は人間らしさ、心の豊かさの証であり、未来の感性が宿るもの。
ニュウマンは、この矛盾を肯定する大きな器として存在し、揺れ動く欲望や価値観の間で新しい美意識を見出す人々を映し出していきます。

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Creative Director/Art Director:Tadahiro Gunji(NON-GRID INC./POSTHYPHEN INC.)
Creative Producer:Hiroshi Koike(NON-GRID INC.)
Assistant Director:Ritsuki Kawamura(NON-GRID INC.)
Movie Director:Yuka Yamaguchi
Producer:Kyoichi Shibukawa/Daiju Yoshida(HOEDOWN INC.)
Production Manager:Suguru Sugiyama(HOEDOWN INC.)
Production Assistant:Kai Fouts(HOEDOWN INC.)
Cinematographer:Tetsuya Arimori(The End Tokyo)
Gaffer:Yasuhiro Uchino
Grip:Hiroki Kato(Fine Films)
Stylist:Koji Oyamada(LESEN inc.)
Costume:KANEHIRO
Hair Make:Yukari Clarke(NOBODCR)
Prop Stylist:Shizuka Aoki
Casting Director:Shimana(SMN CASTING)
Model:SABLINA


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