SUSTAINABLE

環境にやさしい素材や日本製にこだわる「サロン アダム エ ロペ」のものづくり
2026.07.17
ファッションや生活雑貨を扱うライフスタイルショップ「サロン アダム エ ロペ(SALON adam et ropé)」。環境に配慮したものづくりを目指し、できるだけメイド・イン・ジャパンのものを使用するなど、豊かで心地よく、サステナブルなライフスタイルを提案しています。株式会社ジュンでこのブランドを統括する山本紘平さんに、最近の取り組みとその背景にある思いについて伺いました。
リブランディングを機にサステナビリティを推進
1990年に誕生した「アダム エ ロペ(ADAM ET ROPÉ)」は、ミニマルでクリーンな空気を纏(まと)うオリジナルとインポートのファッションアイテムで人気のセレクトショップ。その新業態として2013年に生まれたのが「サロン アダム エ ロペ」。衣食住を扱うライフスタイル提案型のブランドとしてスタートし、5年前のリブランディングを経て、現在はファッションを中心に生活雑貨も扱うセレクトショップとして幅広い層から支持を集めている。
2021年のリブランディングの際にブランドの軸に据えたのが、「サステナブルなライフスタイルを提案する」ということ。ちょうど、サロン アダム エ ロペを運営するジュングループがSDGs推進活動のステートメント「GO CLEAN GO FUTURE」を掲げた時期でもあった。現在、株式会社ジュンのロペ・サロン アダム エ ロペ事業部で部長を務める山本紘平さんは、そのタイミングで同社に入社し、サロン アダム エ ロペのサステナビリティにまつわる取り組みを前に進めてきた立役者のひとり。
「世の中はコロナ禍を経て、人々の生き方や人間関係が大きく変わった頃でした。多くの人が自分の生活や価値観を見直し始めている中で、心地よく暮らしながら、それが結果的にサステナビリティにもつながる、そんな自然体で気負いのないライフスタイルの提案ができればと思いました」
2021年のリブランディングの際にブランドの軸に据えたのが、「サステナブルなライフスタイルを提案する」ということ。ちょうど、サロン アダム エ ロペを運営するジュングループがSDGs推進活動のステートメント「GO CLEAN GO FUTURE」を掲げた時期でもあった。現在、株式会社ジュンのロペ・サロン アダム エ ロペ事業部で部長を務める山本紘平さんは、そのタイミングで同社に入社し、サロン アダム エ ロペのサステナビリティにまつわる取り組みを前に進めてきた立役者のひとり。
「世の中はコロナ禍を経て、人々の生き方や人間関係が大きく変わった頃でした。多くの人が自分の生活や価値観を見直し始めている中で、心地よく暮らしながら、それが結果的にサステナビリティにもつながる、そんな自然体で気負いのないライフスタイルの提案ができればと思いました」

株式会社ジュン ロペ・サロン アダム エ ロペ事業部 部長の山本紘平さん
日本のものづくりの現場を応援したい
環境への配慮の面では、サステナブルな素材を積極的に活用。今年は全商品の65%をサステナブルな素材を使用したアイテムに切り替えることを目指している。また、遅くとも2030 年までには、すべての商品において、トレーサビリティを徹底した持続可能な素材や製造方法を実現することを目標にしている。具体的には、例えば、サステナブルな農法と公正な労働環境のもとで栽培された綿花でつくられ、国際認証を取得したオーガニックコットンや、木材パルプが原料のテンセル™繊維、使用済みのペットボトルや衣料品、繊維くずが原料のエコペット®といったリサイクル繊維など。商品の下げ札には「ORGANIC」「SAVE FOREST」などの文字が書かれたマークが記載されていて、環境や社会に配慮したアイテムであることが消費者に一目でわかる仕組みになっている。
また、日本の産地を守るという観点から、できるだけメイド・イン・ジャパンにこだわっているのも、サステナビリティにつながるアクションといえるだろう。日本の高い技術や希少な織機を生かし、国内の工場で丁寧につくられた素材やアイテムを取り入れている。
「本当にいいものをお客さまに届けたいと考えたときに、例えば、生地であれば『これは○○産の高級な素材を使っています』と銘打つよりも、実際に触ってみて心地よさを実感していただけるものを提案するほうが、サロン アダム エ ロペらしいと感じました。いいものを探す中で日本のものづくりに着目し、産地をまわってみると、とても価値のあるものがたくさん見えてきたんです」
地方のものづくりの現場には高齢化が進んでいるイメージがあるが、実際に工場を訪ねてみると、地元の若い世代が頑張っていることも意外と多いそう。
「その様子を見ると、彼らが誇りをもって働けるといいなとしみじみ思います。私たちがメイド・イン・ジャパンの素材やアイテムを応援することが、彼らのモチベーションにつながればうれしいです」
また、日本の産地を守るという観点から、できるだけメイド・イン・ジャパンにこだわっているのも、サステナビリティにつながるアクションといえるだろう。日本の高い技術や希少な織機を生かし、国内の工場で丁寧につくられた素材やアイテムを取り入れている。
「本当にいいものをお客さまに届けたいと考えたときに、例えば、生地であれば『これは○○産の高級な素材を使っています』と銘打つよりも、実際に触ってみて心地よさを実感していただけるものを提案するほうが、サロン アダム エ ロペらしいと感じました。いいものを探す中で日本のものづくりに着目し、産地をまわってみると、とても価値のあるものがたくさん見えてきたんです」
地方のものづくりの現場には高齢化が進んでいるイメージがあるが、実際に工場を訪ねてみると、地元の若い世代が頑張っていることも意外と多いそう。
「その様子を見ると、彼らが誇りをもって働けるといいなとしみじみ思います。私たちがメイド・イン・ジャパンの素材やアイテムを応援することが、彼らのモチベーションにつながればうれしいです」

左の2点は高機能なオーガニックコットンを使用した人気の「プリマベール」シリーズ。右は、木材パルプとプラスチック廃棄物が原料のアセテート素材のブラウス。いずれも生地は国内の工場で織られたもの
店舗のデザインにも副産物や間伐材を活用
5年前にリブランディングを行ってからは、店舗のデザインにもサステナブルな素材を採用している。例えば、米などの穀物を収穫する際に得られる副産物であるワラを装飾に用いるほか、土に混ぜ込んで壁材としても使用。再生タイル、間伐材なども取り入れている。こうした有機的な素材と無機的な質感のインテリアをバランスよく組み合わせながら、上質で洗練されたムードを演出している。
ブランド名の一部である「サロン」という言葉には、ブランドの姿勢に共感した人たちが集まり、コミュニケーションが広がっていく場になれたら、という思いが込められているという。
「デザインや着心地はもちろん、背景にあるストーリーにも触れながら、そのアイテムがもつ魅力を感じていただけたらと思っています。その結果、あの店には何かしら暮らしが心地よくなるものがある、だからまた行ってみたい、と感じていただけるようなブランドになることが目標です」
ブランド名の一部である「サロン」という言葉には、ブランドの姿勢に共感した人たちが集まり、コミュニケーションが広がっていく場になれたら、という思いが込められているという。
「デザインや着心地はもちろん、背景にあるストーリーにも触れながら、そのアイテムがもつ魅力を感じていただけたらと思っています。その結果、あの店には何かしら暮らしが心地よくなるものがある、だからまた行ってみたい、と感じていただけるようなブランドになることが目標です」

ニュウマン高輪 South 4階のサロン アダム エ ロペ。インテリアには土やワラなどの自然素材を採用。落ち着いた空気感に包まれながらショッピングを楽しめる
自らの体験から、サステナビリティに注力するように
入社以来、サロン アダム エ ロペのサステナビリティにまつわる取り組みを推進してきた山本さんが、サステナビリティに興味をもったのは前々職時代のこと。大手メーカーでアパレルを担当する中で、インドの綿花の栽培農家が抱える課題を目の当たりにし、ショックを受けたのがきっかけだった。
「綿花は害虫や病気に弱く、栽培には農薬が多く使われています。農薬を過剰に使用すると土壌がやせてしまい、農家はその環境に耐えられるようにつくられた特殊な種や化学肥料を使うしかなくなります。つまり、農薬と特殊な種と化学肥料への依存が生まれていくんです」
高額な農薬に加えて種や肥料の費用も加わり、農家は借金をせざるを得なくなる。ところが、綿花の栽培では借金を返せるほどの収入は得られず、どんどん貧乏になっていく。子どもを学校に行かせることもできず、児童労働の問題にもつながり、さらには、追い詰められた生産者が自ら命を絶つこともあるという。その後、山本さんはインドのオーガニックコットン農家を支援する財団の業務に2年ほど携わる機会を得た。
「オーガニックコットン農家の支援は、有機農法を指導するだけでなく、彼らの子どもたちが通う学校の整備などにも及びます。時間をかけて取り組まなくてはならず、簡単ではありませんが、農家の子どもたちがきちんとした教育を受けて成長し、地域社会をよくしていく立場を担うなど、いい方向に進み始めています」
自らの体験を通して、サステナビリティへの興味と学びを深めてきた山本さん。今後はその財団とも協業し、サロン アダム エ ロペのオーガニックコットンのアイテムを購入することがオーガニックコットン農家の支援につながるようなプログラムの導入を検討しているという。
「そのほか、倉庫に眠っている昔の在庫を素材として活用し、新たなアイテムへと生まれ変わらせるなど、トライしたいことはたくさんあります。ピンポイントで終わらない、継続的に取り組んでいくための仕組みづくりとあわせて、この先も挑戦していきたいと考えています」
「綿花は害虫や病気に弱く、栽培には農薬が多く使われています。農薬を過剰に使用すると土壌がやせてしまい、農家はその環境に耐えられるようにつくられた特殊な種や化学肥料を使うしかなくなります。つまり、農薬と特殊な種と化学肥料への依存が生まれていくんです」
高額な農薬に加えて種や肥料の費用も加わり、農家は借金をせざるを得なくなる。ところが、綿花の栽培では借金を返せるほどの収入は得られず、どんどん貧乏になっていく。子どもを学校に行かせることもできず、児童労働の問題にもつながり、さらには、追い詰められた生産者が自ら命を絶つこともあるという。その後、山本さんはインドのオーガニックコットン農家を支援する財団の業務に2年ほど携わる機会を得た。
「オーガニックコットン農家の支援は、有機農法を指導するだけでなく、彼らの子どもたちが通う学校の整備などにも及びます。時間をかけて取り組まなくてはならず、簡単ではありませんが、農家の子どもたちがきちんとした教育を受けて成長し、地域社会をよくしていく立場を担うなど、いい方向に進み始めています」
自らの体験を通して、サステナビリティへの興味と学びを深めてきた山本さん。今後はその財団とも協業し、サロン アダム エ ロペのオーガニックコットンのアイテムを購入することがオーガニックコットン農家の支援につながるようなプログラムの導入を検討しているという。
「そのほか、倉庫に眠っている昔の在庫を素材として活用し、新たなアイテムへと生まれ変わらせるなど、トライしたいことはたくさんあります。ピンポイントで終わらない、継続的に取り組んでいくための仕組みづくりとあわせて、この先も挑戦していきたいと考えています」

主にリサイクル素材を使用したジュエリーで知られるロンドン発の「コンプリーテッドワークス(Completedworks)」。サロン アダム エ ロペでは、リサイクルガラスを用いた生活雑貨もラインアップ
■サロン アダム エ ロペ
https://salon.adametrope.com/
>> ルミネ・ニュウマンのショップはこちら
※本記事は2026年7月14日に『&Illuminate』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。
Text: Kaori Shimura, Photograph: Hiromi Furusato, Edit: Sayuri Kobayashi
https://salon.adametrope.com/
>> ルミネ・ニュウマンのショップはこちら
※本記事は2026年7月14日に『&Illuminate』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。
Text: Kaori Shimura, Photograph: Hiromi Furusato, Edit: Sayuri Kobayashi