SUSTAINABLE

アートの力でエシカルを身近に。アーティスト・江頭誠さんが花柄毛布でつくる衣料品回収ボックス
2025.07.01
ルミネ・ニュウマンが提案する新しいショッピングの形「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」が、2025年7月10日(木)〜8月6日(水)に開催されます。
開催にあわせて、各館の館内に常設している資源循環サービス「anewloop」の衣料品回収ボックスをリニューアル。レトロな花柄の毛布を使ったアート作品で知られる気鋭のアーティスト、江頭誠さんが制作を担当しました。江頭さんは、どのようなコンセプトで制作にあたったのでしょうか。また、普段の活動で大切にしていることやエシカルへの意識についてもうかがいました。
開催にあわせて、各館の館内に常設している資源循環サービス「anewloop」の衣料品回収ボックスをリニューアル。レトロな花柄の毛布を使ったアート作品で知られる気鋭のアーティスト、江頭誠さんが制作を担当しました。江頭さんは、どのようなコンセプトで制作にあたったのでしょうか。また、普段の活動で大切にしていることやエシカルへの意識についてもうかがいました。

エシカーニバルのビジュアルにはルミネのオリジナルキャラクター「ルミ姉」が登場
ショッピングもエシカルに楽しむ
「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」は夏・冬のバーゲンを進化させ、2025年冬から始まったルミネ・ニュウマンの新たな施策。値引き販売であるセールだけでなく、季節を楽しみ尽くすエシカルなイベントを開催するキャンペーンです。
資源循環サービス「anewloop」もエシカーニバルと同じように、持続可能な暮らしを目指すための提案のひとつ。ルミネ・ニュウマンのリアル店舗とネット通販「アイルミネ」で、お客さまの不要になったファッションアイテムを買取・回収しリユース・リサイクルにつなぐ、資源循環のプラットフォームサービスです。
資源循環サービス「anewloop」もエシカーニバルと同じように、持続可能な暮らしを目指すための提案のひとつ。ルミネ・ニュウマンのリアル店舗とネット通販「アイルミネ」で、お客さまの不要になったファッションアイテムを買取・回収しリユース・リサイクルにつなぐ、資源循環のプラットフォームサービスです。

アーティスト・江頭誠さん
懐かしくて、新しい。花柄毛布の世界
今回「anewloop」の回収ボックスの制作・デザインを手がけた江頭誠さんは、中古品や新古品の花柄毛布を使った作品で注目を集めるアーティスト。時にはリサイクルショップで出会った雑貨を用いながら、招き猫に盆栽、鎧兜といった、日本のトラディショナルなモチーフに毛布をまとわせることで、まったく新しい一面を引き出します。江頭さんの制作の原点はどこにあるのでしょうか。
「初めて花柄毛布を使ったのは多摩美術大学での卒業制作です。僕は三重県出身で、大学に進学して上京したばかりのころ、部屋に友だちを招いたことがありました。ベッドには母が持たせてくれた花柄毛布が置いてあったのですが、友だちがそれを見て『ダサっ』と言ったんです。彼からすれば違和感があったのかもしれませんが、それまで当たり前に使っていたものだったので、驚きと同時にどこかモヤモヤしてしまって。それから花柄毛布の存在が気になるようになったんです」
月日が経ち、卒業制作でなにをつくるか悩んでいた江頭さんの頭に思い浮かんだのが、花柄毛布。縫い合わせた毛布に綿を詰め、大阪城の“ぬいぐるみ”をつくりました。堅牢なイメージのモチーフと柔らかな素材とのギャップや、形を自分でコントロールしきれないところにおもしろみを感じたといいます。
その後、一度は会社員として働きますが、作品制作への思いが高まり再びアートの道へ。「第18回岡本太郎現代芸術賞」で特別賞、表参道の複合文化施設・スパイラルで開催されたSICF(スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)ではグランプリに輝き、本格的にアーティストとして活動を始めました。
作品づくりのモチベーションについて聞くと、「結局は友だちがほしいのかもしれません」という答えが。
「昔は身体が弱くて、休み時間になっても外に遊びに行けず教室で絵を描いていました。でもそうしているうちに、ひとり、またひとりと僕の絵を見にきてくれるようになって。その友人たちのために毎日絵を描いていた時間が、ものづくりの原体験になっている気がします。制作するもののなかには、ゼロから考える作品だけでなくクライアントからの依頼を受けてつくるものもありますが、すべてに共通しているのは“楽しい”という感覚。作品を通して人とつながっていけるのがうれしいんです」
「初めて花柄毛布を使ったのは多摩美術大学での卒業制作です。僕は三重県出身で、大学に進学して上京したばかりのころ、部屋に友だちを招いたことがありました。ベッドには母が持たせてくれた花柄毛布が置いてあったのですが、友だちがそれを見て『ダサっ』と言ったんです。彼からすれば違和感があったのかもしれませんが、それまで当たり前に使っていたものだったので、驚きと同時にどこかモヤモヤしてしまって。それから花柄毛布の存在が気になるようになったんです」
月日が経ち、卒業制作でなにをつくるか悩んでいた江頭さんの頭に思い浮かんだのが、花柄毛布。縫い合わせた毛布に綿を詰め、大阪城の“ぬいぐるみ”をつくりました。堅牢なイメージのモチーフと柔らかな素材とのギャップや、形を自分でコントロールしきれないところにおもしろみを感じたといいます。
その後、一度は会社員として働きますが、作品制作への思いが高まり再びアートの道へ。「第18回岡本太郎現代芸術賞」で特別賞、表参道の複合文化施設・スパイラルで開催されたSICF(スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)ではグランプリに輝き、本格的にアーティストとして活動を始めました。
作品づくりのモチベーションについて聞くと、「結局は友だちがほしいのかもしれません」という答えが。
「昔は身体が弱くて、休み時間になっても外に遊びに行けず教室で絵を描いていました。でもそうしているうちに、ひとり、またひとりと僕の絵を見にきてくれるようになって。その友人たちのために毎日絵を描いていた時間が、ものづくりの原体験になっている気がします。制作するもののなかには、ゼロから考える作品だけでなくクライアントからの依頼を受けてつくるものもありますが、すべてに共通しているのは“楽しい”という感覚。作品を通して人とつながっていけるのがうれしいんです」

左/「第18回岡本太郎現代芸術賞」で特別賞を受賞した《神宮寺宮型八棟造》(2015年)画像提供:川崎市岡本太郎美術館 右/「SICF17」でグランプリを受賞した《お花畑》(2016年)
ステージでつむがれる小さな物語
江頭さんが回収ボックスを制作するにあたり、まず考えたのは「ボックスというシンプルなものをどこまでおもしろくできるか」だったといいます。
「普段の作品は有機的な形のものが多いので、無機質な四角い形をどこまで柔らかく親しみやすい印象にできるか、挑戦しがいがあると感じました。まずはかわいらしく、さらにピンク色の花柄毛布を使って華やかに仕上げたい。そのうえで課題になったのは、ボックスの上面のスペースの生かし方です。はじめは大きなオブジェをひとつ置く案もあったのですが、少し遊びが足りないかなと思ったんです。そこで上面を“ステージ”に見立て、物語を展開させてみようと考えました」
あるボックスの上で繰り広げられるのは、片膝をついた人物が花を持ち、犬の気を引こうとしているシーン。江頭さんが「さまざまなストーリーを想像できるようにしたい」と話すように、見る人それぞれの解釈で物語を楽しむことができます。
使用しているフィギュアや置物はすべてリサイクルショップで見つけたもの。そのどれもが、いつかどこかで見たことがあるようなノスタルジーを感じさせるのも、江頭さんの作品の特徴です。
各館に置かれる全14個の回収ボックスのうち4つが、江頭さんが手作業でつくる1点もの。それぞれに物語が異なるので、スタンプラリー的にめぐる楽しみ方もできそうです。
「普段の作品は有機的な形のものが多いので、無機質な四角い形をどこまで柔らかく親しみやすい印象にできるか、挑戦しがいがあると感じました。まずはかわいらしく、さらにピンク色の花柄毛布を使って華やかに仕上げたい。そのうえで課題になったのは、ボックスの上面のスペースの生かし方です。はじめは大きなオブジェをひとつ置く案もあったのですが、少し遊びが足りないかなと思ったんです。そこで上面を“ステージ”に見立て、物語を展開させてみようと考えました」
あるボックスの上で繰り広げられるのは、片膝をついた人物が花を持ち、犬の気を引こうとしているシーン。江頭さんが「さまざまなストーリーを想像できるようにしたい」と話すように、見る人それぞれの解釈で物語を楽しむことができます。
使用しているフィギュアや置物はすべてリサイクルショップで見つけたもの。そのどれもが、いつかどこかで見たことがあるようなノスタルジーを感じさせるのも、江頭さんの作品の特徴です。
各館に置かれる全14個の回収ボックスのうち4つが、江頭さんが手作業でつくる1点もの。それぞれに物語が異なるので、スタンプラリー的にめぐる楽しみ方もできそうです。

“人の痕跡”を感じるボックスがエシカルへ目を向けるきっかけに
多くの作品に、中古の毛布やリサイクルショップで調達した雑貨を使っている江頭さん。そういった素材の魅力は、人とのつながりを感じられることだといいます。
「新品やきれいなものよりも、使用感があるものに惹かれるんです。たとえば、前の持ち主の名前が書かれたゲームソフトや、帽子とか。ものから“人の痕跡”を感じたいし、かつて使われていたところを想像したいんですよね」
一度役目を終えたものに再び息を吹き込んだり、新たな価値を与えたりする江頭さんの作品は、まさにエシカルともいえます。今回の回収ボックスを目にする人、利用する人にとっても、エシカルへ意識を向けるきっかけになるのではないでしょうか。
「新品やきれいなものよりも、使用感があるものに惹かれるんです。たとえば、前の持ち主の名前が書かれたゲームソフトや、帽子とか。ものから“人の痕跡”を感じたいし、かつて使われていたところを想像したいんですよね」
一度役目を終えたものに再び息を吹き込んだり、新たな価値を与えたりする江頭さんの作品は、まさにエシカルともいえます。今回の回収ボックスを目にする人、利用する人にとっても、エシカルへ意識を向けるきっかけになるのではないでしょうか。

過去の作品や花柄毛布などの素材があふれる江頭さんのアトリエ
館内に設置され、不特定多数の人が“使う”作品となる今回の回収ボックス。パブリックアートのような存在になるのが楽しみだと、江頭さんは語ります。
「生活のなかで突然違和感が現れるような、ゲリラ的な出会い方になるのがおもしろいですよね。来館する人のなかには、僕のことを知らない人もいると思うので、これをきっかけに作品を楽しんでもらえたら。あとは『意外とかわいいかも』とか、花柄毛布に対しても新しい見方を持ってもらえたらうれしいです」
ルミネ・ニュウマンがanewloopの取り組みで目指すのは、「ファッションを楽しむこと」と「地球環境に与える環境負荷を減らすこと」の両立です。アートを楽しみながらリユースやリサイクルに参加できる回収ボックスが、新しい循環の形を身近に感じるための入口になるはず。アートの力でよりパワーアップした「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」を、ぜひ楽しんでください。
PROFILE
江頭誠/アーティスト
1986年三重県生まれ。 戦後の日本で独自に普及してきた花柄の毛布を主な作品素材として、立体作品やインスタレーションを手掛ける。
2015年に発泡スチロール製の霊柩車を毛布で装飾した「神宮寺宮型八棟造」で「第18回岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞。
その翌年、毛布で洋式トイレをつくった「お花畑」で「SICF17」のグランプリを受賞する。
主な展覧会に「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」、「BIWAKOビエンナーレ2022」「六本木アートナイト2023」など。
展示以外にアーティストYUKIの「My lovely ghost」のMVやGUCCIのショートフィルム「Kaguya by Gucci」にアートワークで参加。
>> 「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」について詳しくはこちら
>> 「anewloop」について詳しくはこちら
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■あわせて読みたい
>> ルミネが提案する新しいショッピングの形「エシカーニバル」
■こちらもおすすめ
>> 厳しい環境を生き抜く力強さを。サステナブルにも挑戦したシーズンディスプレイ
「生活のなかで突然違和感が現れるような、ゲリラ的な出会い方になるのがおもしろいですよね。来館する人のなかには、僕のことを知らない人もいると思うので、これをきっかけに作品を楽しんでもらえたら。あとは『意外とかわいいかも』とか、花柄毛布に対しても新しい見方を持ってもらえたらうれしいです」
ルミネ・ニュウマンがanewloopの取り組みで目指すのは、「ファッションを楽しむこと」と「地球環境に与える環境負荷を減らすこと」の両立です。アートを楽しみながらリユースやリサイクルに参加できる回収ボックスが、新しい循環の形を身近に感じるための入口になるはず。アートの力でよりパワーアップした「ルミネ・ニュウマン エシカーニバル」を、ぜひ楽しんでください。
PROFILE
江頭誠/アーティスト
1986年三重県生まれ。 戦後の日本で独自に普及してきた花柄の毛布を主な作品素材として、立体作品やインスタレーションを手掛ける。
2015年に発泡スチロール製の霊柩車を毛布で装飾した「神宮寺宮型八棟造」で「第18回岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞。
その翌年、毛布で洋式トイレをつくった「お花畑」で「SICF17」のグランプリを受賞する。
主な展覧会に「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」、「BIWAKOビエンナーレ2022」「六本木アートナイト2023」など。
展示以外にアーティストYUKIの「My lovely ghost」のMVやGUCCIのショートフィルム「Kaguya by Gucci」にアートワークで参加。
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