SUSTAINABLE

サステナブルな食体験で人と地域を結ぶ、埼玉・大宮発「ムスブルミネ」
2026.02.06
2025年11月にJR大宮駅東口にオープンした「ムスブルミネ」は、サステナブルな食がテーマの施設。昔ながらの一汁三菜をモダンに再解釈したレストランやオーガニック野菜が手に入るショップを通して未来につながる食体験を発信し、地域と身体と地球を思う人々を結ぶ場となることを目指しています。誕生した背景や施設の魅力について、事業開発を担当したルミネの板東優介さん、伊達奈央さんにうかがいました。
木造2階建て、前庭つきの“街ナカ”施設
JR大宮駅東口はチェーン店を中心とする種々雑多な商業施設で賑わうエリア。そんな東口から徒歩1分の場所に誕生した「ムスブルミネ」は、駅ビルや駅ナカでおなじみのルミネが新たに“街ナカ”にオープンした商業施設。食のサステナビリティをテーマにカフェ、ダイニング、オーガニックショップの3店舗がそろう。建物は、木のぬくもりが感じられる木造2階建て。前庭の植栽はコナラやアカマツといった埼玉県に自生している品種からセレクトした。常緑樹と落葉樹が混在し、木々の表情を通して季節の移ろいが感じられる庭になっている。
「『ムスブルミネ』の構想がスタートしたのは今から3年前のことです」とプロジェクトを担当したルミネ大宮店 施設管理部の板東優介さんは振り返る。「当時のルミネ大宮の店長が『大宮の地域事業者と新しい取り組みをしよう』と。ルミネはもともとファッションを軸に展開してきた企業ですが、近年はアートなどにも力を入れています。今後はモノだけでなくコトやトキ、つまり体験という価値をもっと提供していきたいという思いから、サステナブルな食をベースとした施設を立ち上げることになりました」
ルミネでは「WE ILLUMINATE THE FUTURE わたしが選ぶ毎日が、わたしたちの未来をつくっていく」というサステナビリティ方針を掲げ、これまでにもさまざまな地域の魅力を発信してきた。「ムスブルミネ」もこうした取り組みの一環で、その名のとおり、人と人、人と地域を結ぶ場を目指している。
「お客さまに地域やご自身の身体、そして地球を大切に思っていただけるきっかけとなるような、よい出会いを提供していきたいと考えています」(ルミネ大宮店 営業部 グループリーダー 伊達奈央さん)
「『ムスブルミネ』の構想がスタートしたのは今から3年前のことです」とプロジェクトを担当したルミネ大宮店 施設管理部の板東優介さんは振り返る。「当時のルミネ大宮の店長が『大宮の地域事業者と新しい取り組みをしよう』と。ルミネはもともとファッションを軸に展開してきた企業ですが、近年はアートなどにも力を入れています。今後はモノだけでなくコトやトキ、つまり体験という価値をもっと提供していきたいという思いから、サステナブルな食をベースとした施設を立ち上げることになりました」
ルミネでは「WE ILLUMINATE THE FUTURE わたしが選ぶ毎日が、わたしたちの未来をつくっていく」というサステナビリティ方針を掲げ、これまでにもさまざまな地域の魅力を発信してきた。「ムスブルミネ」もこうした取り組みの一環で、その名のとおり、人と人、人と地域を結ぶ場を目指している。
「お客さまに地域やご自身の身体、そして地球を大切に思っていただけるきっかけとなるような、よい出会いを提供していきたいと考えています」(ルミネ大宮店 営業部 グループリーダー 伊達奈央さん)

周囲にチェーン店が多い中、前庭の緑とコンパクトな木造の建物が一際(ひときわ)目を引く「ムスブルミネ」。右からルミネ大宮店 施設管理部の板東優介さん、営業部 グループリーダーの伊達奈央さん
未利用ミカンのスイーツなどフードロス削減にも貢献
1階のカフェ「SLB CAFE」と2階のレストラン「SLB THE DINING」は、埼玉を中心に飲食店を展開しているSLBカンパニーと、料理家・ライフスタイルプロデューサーの杉山絵美氏、ルミネのコラボレーションにより生まれた。
「SLBさんは『ASIAN FRENCH DINING 味市場』をはじめ、地元のみなさんに愛される人気店を運営しています。埼玉には大宮市場という日本各地からおいしい野菜や肉、魚が集まる市場がありますが、SLBさんはそこで毎日仕入れをされていて、食材の目利きに非常にたけています。また、料理の監修をお願いした杉山絵美さんは、フードロス問題にも積極的に取り組んでいる料理家。三者がタッグを組むことで、サステナブルなメニューを開発することができました」(伊達さん)
1階のカフェ「SLB CAFE」では、日本の主食である米をキーワードに、朝はお粥(かゆ)を用意。基本の「和風だし」に加え、蒸し鶏、トマトなどのカスタマイズも可能だ。
「埼玉県の北東部に宮代町というかつては純農村だった町があります。『ほっつけ田』という掘りあげた土の上で稲作を行う水田が特徴的でしたが、高度経済成長期以降は農家の数が激減し、『ほっつけ田』も一度は消失してしまいました。ですが、近年は行政の施策のもとにそれを再生。今では多くの町民が稲刈りに参加しています。その宮代町産の低農薬の特別栽培米をお粥に使用しています」(伊達さん)
カフェタイムには米粉のパウンドケーキやフォンダンショコラなど、グルテンフリーのスイーツを提供。名物の「青蜜柑(みかん)風味の米粉バスクチーズケーキ」には、ミカンの糖度を上げるために摘果された未利用のミカンを有効活用し、フードロス削減を目指している。ドリンクは、全国の生産者を訪ねて厳選した無農薬栽培の国産茶を扱う埼玉・越谷の「お茶を贈る人」の国産有機栽培茶などをラインアップ。夕方からはカフェがバータイムとなり、埼玉のクラフトビール「COEDO」のビールをタップスタイルで楽しめる。
「タップスタイル、つまり樽(たる)から直接注がれるCOEDOのビールは本当においしいんです。ちょっと気の早い話ですが、夏の夕暮れ時にテラスで召し上がっていただくのがおすすめです」(板東さん)
「SLBさんは『ASIAN FRENCH DINING 味市場』をはじめ、地元のみなさんに愛される人気店を運営しています。埼玉には大宮市場という日本各地からおいしい野菜や肉、魚が集まる市場がありますが、SLBさんはそこで毎日仕入れをされていて、食材の目利きに非常にたけています。また、料理の監修をお願いした杉山絵美さんは、フードロス問題にも積極的に取り組んでいる料理家。三者がタッグを組むことで、サステナブルなメニューを開発することができました」(伊達さん)
1階のカフェ「SLB CAFE」では、日本の主食である米をキーワードに、朝はお粥(かゆ)を用意。基本の「和風だし」に加え、蒸し鶏、トマトなどのカスタマイズも可能だ。
「埼玉県の北東部に宮代町というかつては純農村だった町があります。『ほっつけ田』という掘りあげた土の上で稲作を行う水田が特徴的でしたが、高度経済成長期以降は農家の数が激減し、『ほっつけ田』も一度は消失してしまいました。ですが、近年は行政の施策のもとにそれを再生。今では多くの町民が稲刈りに参加しています。その宮代町産の低農薬の特別栽培米をお粥に使用しています」(伊達さん)
カフェタイムには米粉のパウンドケーキやフォンダンショコラなど、グルテンフリーのスイーツを提供。名物の「青蜜柑(みかん)風味の米粉バスクチーズケーキ」には、ミカンの糖度を上げるために摘果された未利用のミカンを有効活用し、フードロス削減を目指している。ドリンクは、全国の生産者を訪ねて厳選した無農薬栽培の国産茶を扱う埼玉・越谷の「お茶を贈る人」の国産有機栽培茶などをラインアップ。夕方からはカフェがバータイムとなり、埼玉のクラフトビール「COEDO」のビールをタップスタイルで楽しめる。
「タップスタイル、つまり樽(たる)から直接注がれるCOEDOのビールは本当においしいんです。ちょっと気の早い話ですが、夏の夕暮れ時にテラスで召し上がっていただくのがおすすめです」(板東さん)

1階のカフェ「SLB CAFE」では朝7時30分から10時(ラストオーダー)までお粥とコーヒーまたは釜炒り茶のセットメニューを提供。こちらは「和風だし」。やさしい味わいが身体にも心にも沁みる
自分の舌や目で、健康的な暮らしのヒントに出会う
2階の「SLB THE DINING」は、季節の食材を活かした和洋ミックスの「ライスボウルランチ」や「ダイニングディナーコース」を堪能できるレストラン。健康に必要な栄養素をバランスよく摂れる献立「一汁三菜」をモダンに再構築したもので、コースといってもボリュームは控えめ。素材のうまみが凝縮されたおいしい料理をカジュアルに味わえるのが魅力だ。
「大宮市場に集まる海産物や埼玉の銘品であるサイボクの豚肉など、熟練の目利きが上質な食材を調達しています。埼玉の地酒も扱っていますし、店長がソムリエの資格をもっていることもあり、ワインの種類も豊富。ポーション(分量)が控えめで身体にやさしく、『完食してもまったく胃もたれしない』『デザートまでペロリといけた』といった声も多く届いています」
1階のカフェに隣接する「ORGANIC & CO.」は、COEDOビールを手がける協同商事が運営する青果店。実は協同商事はもともと有機野菜などを扱っている企業で、大宮の氷川神社の参道で営業していた「ORGANIC & CO.」が、今回「ムスブルミネ」内に移転した。ここにはJAS認証を取得した有機栽培のオーガニック野菜や果物のほか、厳選された調味料が並ぶ。ポリ袋や使い捨てカップなどのプラスチック包装を極力行わず、欲しい分だけ量り売りすることで、ゼロウェイスト(ごみゼロ)を目指している。
「カゴを持って青果店に行き、箱の中の野菜や果物を見て、手に取りながら自分で選ぶ。そんな昔ながらの青果店での買い物のような体験を楽しみながら、健康的な生活のヒントに出会っていただけたらと思っています。また、フードロス削減の面では、見た目には少し古くなってきたけれど、品質的には問題がない野菜や果物をレストランで食材として活用する、という取り組みも行っています」(伊達さん)
「大宮市場に集まる海産物や埼玉の銘品であるサイボクの豚肉など、熟練の目利きが上質な食材を調達しています。埼玉の地酒も扱っていますし、店長がソムリエの資格をもっていることもあり、ワインの種類も豊富。ポーション(分量)が控えめで身体にやさしく、『完食してもまったく胃もたれしない』『デザートまでペロリといけた』といった声も多く届いています」
1階のカフェに隣接する「ORGANIC & CO.」は、COEDOビールを手がける協同商事が運営する青果店。実は協同商事はもともと有機野菜などを扱っている企業で、大宮の氷川神社の参道で営業していた「ORGANIC & CO.」が、今回「ムスブルミネ」内に移転した。ここにはJAS認証を取得した有機栽培のオーガニック野菜や果物のほか、厳選された調味料が並ぶ。ポリ袋や使い捨てカップなどのプラスチック包装を極力行わず、欲しい分だけ量り売りすることで、ゼロウェイスト(ごみゼロ)を目指している。
「カゴを持って青果店に行き、箱の中の野菜や果物を見て、手に取りながら自分で選ぶ。そんな昔ながらの青果店での買い物のような体験を楽しみながら、健康的な生活のヒントに出会っていただけたらと思っています。また、フードロス削減の面では、見た目には少し古くなってきたけれど、品質的には問題がない野菜や果物をレストランで食材として活用する、という取り組みも行っています」(伊達さん)

「サイボク豚ヒレのソテー ~トマトと醤油のソース~」は人気のメインディッシュ。豚ヒレは驚くほどに柔らかくクリアな味わい。グリル野菜もうまみが凝縮されていて美味。アラカルト(写真)でもオーダーできる
お芋フェスや盆栽ワークショップも企画中
「ムスブルミネ」の利用者は若い世代からお年寄りまで幅広く、カフェではお粥やスイーツを楽しむほか、コーヒーを片手に仕事をする人の姿も。レストランはひとりでもグループでも過ごしやすいようにレイアウトが配慮されていて、いろいろな目的や用途にあわせて居心地よく利用できる。今後はさまざまなイベントやワークショップも行っていくという。
「例えば、秋は埼玉・川越の名産であるサツマイモの料理やスイーツを食べられるフェスを開催するなど。また、大宮は実は盆栽の聖地でもあり、ミニ盆栽のワークショップも検討しています。まだまだ知られていない埼玉の魅力を発掘して、伝えていきたいですね」(伊達さん)
「その街に住んでいる人や働いている人たちの暮らしに深く根差していきたい。それが、『ムスブルミネ』のプロジェクトを立ち上げた当初から思っていることです。みなさんの日常に寄り添う場となることを目指しながら、参加することで自分自身を見つめ直したり、明日が楽しみになったりするようなイベントもあわせて開催していきたいと考えています」(板東さん)
「例えば、秋は埼玉・川越の名産であるサツマイモの料理やスイーツを食べられるフェスを開催するなど。また、大宮は実は盆栽の聖地でもあり、ミニ盆栽のワークショップも検討しています。まだまだ知られていない埼玉の魅力を発掘して、伝えていきたいですね」(伊達さん)
「その街に住んでいる人や働いている人たちの暮らしに深く根差していきたい。それが、『ムスブルミネ』のプロジェクトを立ち上げた当初から思っていることです。みなさんの日常に寄り添う場となることを目指しながら、参加することで自分自身を見つめ直したり、明日が楽しみになったりするようなイベントもあわせて開催していきたいと考えています」(板東さん)

「ムスブルミネ」の入り口にある青果店「ORGANIC & CO.」。季節の新鮮な野菜や果物とこだわりの調味料が並ぶ
■ムスブルミネ
https://www.lumine.ne.jp/omiya/musubu_lumine/
>> ルミネ・ニュウマンのショップはこちら
※本記事は2026年1月28日に『&Illuminate』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。
Text: Kaori Shimura, Photograph: Hiromi Furusato, Edit: Sayuri Kobayashi
https://www.lumine.ne.jp/omiya/musubu_lumine/
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※本記事は2026年1月28日に『&Illuminate』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。
Text: Kaori Shimura, Photograph: Hiromi Furusato, Edit: Sayuri Kobayashi