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ときめきとともに、広い世界へ飛び出していこう。背中を後押ししてくれるシーズンディスプレイ

2026.03.06

2026年2月26日(木)から、ルミネ各館で「Preppy Match -正統派、ときめき仕立て」をテーマにシーズンディスプレイが展開されています。今回は初春から初夏と、約2カ月間にわたって展開。飾られている商品の変化と連動して、途中でモチーフの一部を入れ替えるという試みも行います。
ディスプレイのデザインを手がけたのは、グラフィックアーティストの野口路加さんと、映像作家せきやすこさんによるユニット「onnacodomo(オンナコドモ)」です。コンセプトや、そこに込められた想いについて伺いました。

好きなものへの「ときめき」が自分を強くする

それぞれ個人としても活動している、野口路加さんとせきやすこさん。ユニット「onnacodomo」では、主にコラージュという手法で作品を制作しています。

ふたりが最初のオリエンテーションでルミネから伝えられたのは、「Preppy Match -正統派、ときめき仕立て」というテーマや「遊び」「楽しさ」「ワクワク」というキーワード。Preppy(プレッピー)とは、アメリカの名門私立学校に通う学生たちのようなスタイルを指すファッション用語で、伝統的で上品、それでいて軽快さがあるといった要素を含んでいます。

せきさんはテーマを受け、「プレッピーという言葉が持つイメージを、さらに自分の感覚でときめくものにしていくという視点で捉えました」と話します。

「『トラッド』『伝統的』『品のよさ』といった本来のイメージを大切にしつつも、『自分の芯を持つ』『周りに流されない』『自分がときめくものに対して積極的である』……そんなニュアンスをプラスしてアイデアづくりを進めることにしました」

デザインコンセプトについて、「ときめきに後押しされて外に飛び出していくような、前向きなイメージでつくっていきました」とせきさんは話します。春を待ちわびる冬は、内にこもってしまいがちですが、春から夏は心も体もどんどん開放的になる季節です。「そういう時季こそ、ときめきを覚える好きなものに出会うことが、自分自身を強くしてくれると思います」と付け加えました。

いい違和感を生み出し、想像をかき立てるモチーフ

いくつものモチーフが混ざり合うonnacodomoのコラージュ作品。今回も複数のモチーフが登場しています。中心に大きく配置されているのは、鏡。重要なモチーフとして鏡を選んだ理由についてせきさんはこう話します。

「鏡は家の中で自分の姿を見るためのものです。自分自身を見つめつつ、そのテリトリーから飛び出していこうというメッセージを込めて、中央に鏡を置き、そのまわりにはどんどん世界が広がっていくものの象徴として、駆け抜ける馬や惑星を配置しました」

ちりばめられたモチーフには、リボンや馬といった柔らかでファンタジックなものもあれば、ちぎれたチェーンや歯といったエッジの効いたモチーフも採用されています。せきさんは「安心感のある要素と、いい違和感を生む個性的なモチーフがあることで、ときめきのパターンが増えたり広がったりしてほしいと思いました」と教えてくれました。

ふたりは制作を進めるなかで、これまでの作品で何度も用いてきたモチーフとあらためて向き合い、新たな発見があったといいます。「プレゼンでは、鏡の持つ意味や、モチーフ同士を組み合わせた意図などをルミネさんに言葉で説明する必要がありました。普段の制作では感覚的にモチーフを選んだり組み合わせたりしていたので、言語化して説明するという行為は自分の思考を整理し、あらためて理解することにもなって新鮮でした」と野口さん。

たとえばonnacodomoの作品によく登場するリボンは、出会いや節目を結ぶ祝福の象徴。始まりの季節に寄り添うという意味が込められています。惑星もonnacodomoのアイコン的モチーフのひとつで、視野を広げる解放感や、遊び心を加える要素として用いられています。ちょっと意外な歯のモチーフは、生え変わりのように変化のタイミングを示す符号とのこと。「ルミネさんに見せたとき、歯が混ざっているのをおもしろがってもらえたことが印象的です」とせきさんは振り返りました。

モチーフの意味や組み合わせについては、「見る人にもいろいろと想像してもらえるとうれしいです」と野口さん。デザインがウィンドウの場所によって少しずつ異なるので、その違いを見つけるのも楽しそうです。

また今回は、春から夏に切り替わるタイミングでモチーフの一部を入れ替えるという試みも行います。
鏡の文字は、「Preppy Match -正統派、ときめき仕立て」から夏のテーマ「Sweet Resistance -スイートな反逆者たちへ」に。ピンク色のバラは、熱帯や暑さを想起させる植物「モンステラ」に変化し、バラの花が咲くスイートな世界から、熱量が増えた惑わされない意思のある世界へと変容します。

大切にしているのは、お互いを尊重し合う気持ち

ユニットで活動するアーティストは、どちらかがメインに立ったり、作業領域を分けたりするケースも多いなか、onnacodomoは「役割分担が決まっているわけではなく、ふたりで対等にアイデアを出し合い、制作しています」と野口さんは話します。

もともとは友だち同士だった野口さんとせきさんが、onnacodomoの活動をはじめてから約20年。仕事というよりも、部活や趣味のような遊び心を持ったものづくりの活動としてスタートしたといいます。

「だんだんと大きなクライアントワークをさせていただく機会も増えてきましたが、肩肘を張らずに、ふたりで遊んでいるような感覚で制作することを大事にしています。だからこそ長続きしているのかもしれません」と野口さん。それに対してせきさんも「そうそう。私も同じです」と話し、「野口さんの個人作品の素晴らしさを知っているので、自分と異なる意見も『たしかにそれもいいね』と受け入れられる。そういう心のゆとりが持てていることも、ふたりでの制作を続けられる理由です」と語りました。

せきさんはルミネのウィンドウを手がけることについて、「通勤や通学など、日常生活で目にする場所だからこそ、背中を押すような、ポジティブな気持ちになってもらえるようにと考えました」とのこと。野口さんも「自分を縛りつけていたものから解放されて、好きなものが人と違っても、それを肯定して楽しめるような気持ちになってもらえたらうれしいです」と話しました。

ふたりの“好き”と遊び心がつまったウィンドウを通して、春と夏、そしてその移り変わりを、ときめきとともに過ごしてみませんか?


期間/2026年2月26日(木)~5月6日(水)
ディスプレイテーマ/Preppy Match -正統派、ときめき仕立て
実施館/ルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ルミネ有楽町、ルミネ北千住、ルミネ池袋、ルミネ立川、ルミネ町田、ルミネ荻窪、ルミネ大宮、ルミネ横浜


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Art Direction & Design/onnacodomo @onnacodomo
Creative Direction/NOE INC.


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