LIFESTYLE

きょうは本屋に寄って帰ろう/Vol.25(選者:小谷実由さん)
2026.02.27
愛読家として知られ、自らもエッセイ集を刊行しているモデルの小谷実由さんが、ルミネのシーズンテーマを切り口におすすめの本を紹介する本企画。今回のテーマは「Preppy Match -正統派、ときめき仕立て」です。きちんとしたスタイルやいつもの風景に、自分だけのときめきをプラスしてすこしだけアップデート。自由で上品な遊び心が、毎日に充足感や豊かさをもたらしてくれます。

『まぬけなこよみ』著:津村記久子(朝日新聞出版)
一年の間には、誕生日や記念日などの個人的なイベントだけでなく、四季折々に大小色々なイベントがある。それを知ることができたら、楽しむ気持ちの準備をすることができる。しっかりと準備万端に挑むイベントは有意義な時間になりそう。一日や短期間で季節はどんどん巡っていくけれど、心に残る体験は次の機会への楽しみへ繋がっていく。結果、一年中楽しみが絶えず続くかもしれない。
作家、津村記久子さんによる四季エッセイ。季節のことばをきっかけに津村さんを取り巻く一年中の出来事がときにおかしく、はたまたきゅっと切なく書かれている。冬の朝、ストーブの前でその日最初の暖まりを感じ、花見にはデジカメのメモリーカードを費やし、夏にTシャツの絵柄で人々を推し量り、秋の夜長は夜なべに最適。季節の事柄と自分の生活を結びつけることができたら、日常のあれやこれやが新鮮に見えて、向き合う気持ちが変化しそうな気がする。エッセイのテーマとなる季節のことばには初詣、猫の恋、新じゃが、プール、いわし雲、日記買うなど身近な言葉が多数登場し、それを眺めているだけで楽しい。各エッセイの末尾には二十四節気と七十二候が記されていて、新たな季節の魅力をさまざまな面から知ることができる。たとえ一年が365日あっても、二度と同じ日はない。そう思うといい日だったなと思えるような日々が多い方が嬉しい。日々を過ごす楽しいヒントがたくさん散りばめられた一冊。
作家、津村記久子さんによる四季エッセイ。季節のことばをきっかけに津村さんを取り巻く一年中の出来事がときにおかしく、はたまたきゅっと切なく書かれている。冬の朝、ストーブの前でその日最初の暖まりを感じ、花見にはデジカメのメモリーカードを費やし、夏にTシャツの絵柄で人々を推し量り、秋の夜長は夜なべに最適。季節の事柄と自分の生活を結びつけることができたら、日常のあれやこれやが新鮮に見えて、向き合う気持ちが変化しそうな気がする。エッセイのテーマとなる季節のことばには初詣、猫の恋、新じゃが、プール、いわし雲、日記買うなど身近な言葉が多数登場し、それを眺めているだけで楽しい。各エッセイの末尾には二十四節気と七十二候が記されていて、新たな季節の魅力をさまざまな面から知ることができる。たとえ一年が365日あっても、二度と同じ日はない。そう思うといい日だったなと思えるような日々が多い方が嬉しい。日々を過ごす楽しいヒントがたくさん散りばめられた一冊。

『たのしい路上園芸観察』著:村田あやこ(グラフィック社)
通勤で、通学で、休日に、外を歩いているときに何を見ていますか? スマホだったり、その日の天気を空とにらめっこしていたり、何かを見ているはずだけど何も見ていなかったり、歩いているときの目線って一体どこに向いているのでしょう。実はまだまだ見えていない楽しみや好きが毎日通っているあの道に転がっていることがあるかもしれません。それは日に日に変化を重ね、魅了してくれる自然の力と人の力が結集したエンターテイメント。
路上園芸鑑賞家、路上園芸学会の村田あやこさんによる、“路上園芸”観察のススメ。路上園芸とは、個人宅や商店の軒先などで住人たちが個人の楽しみのために育てている植物や、人の手を離れ自然の力で路上で自生する植物のこと。住人たちの手によって植木鉢や置き場所がカスタマイズされた植物たちは、育ち具合などそれぞれの個性を考えながら手間をかけ、まるで我が子のように育てられている。路上で自由に羽を伸ばすように自生する植物たちの中では、建物の壁面にツタが張る「植物壁画」は特に見応えあり。時を重ねるほどに変化していろんな顔を見せてくれる植物。そんな様子を見守っていく時間の過ごし方はとても穏やかなはず。毎日の些細な変化、そして自分らしく好きをカスタマイズしていくこと、植物×時間が与えてくれる充足感はきっと心地良いもの。毎日の歩みをワクワクさせてくれるに違いない。
路上園芸鑑賞家、路上園芸学会の村田あやこさんによる、“路上園芸”観察のススメ。路上園芸とは、個人宅や商店の軒先などで住人たちが個人の楽しみのために育てている植物や、人の手を離れ自然の力で路上で自生する植物のこと。住人たちの手によって植木鉢や置き場所がカスタマイズされた植物たちは、育ち具合などそれぞれの個性を考えながら手間をかけ、まるで我が子のように育てられている。路上で自由に羽を伸ばすように自生する植物たちの中では、建物の壁面にツタが張る「植物壁画」は特に見応えあり。時を重ねるほどに変化していろんな顔を見せてくれる植物。そんな様子を見守っていく時間の過ごし方はとても穏やかなはず。毎日の些細な変化、そして自分らしく好きをカスタマイズしていくこと、植物×時間が与えてくれる充足感はきっと心地良いもの。毎日の歩みをワクワクさせてくれるに違いない。

『お皿のラブレター』著:竹花いち子(宝島社)
相手に想いを伝える手段は、メールや電話もあれば手紙もあるし、何かを贈ることでもできる。それぞれ想いが伝わるスピード感が違って、人によって着手するときの気の持ち方もさまざまだ。相手のことを考えながら気持ちを込めるときに流れる時間は、自分にとっても何かを受け取る時間でもある。手短でも、じっくりでも、その時間が遺してくれるものは充実したものであったらいいと思う。
自由な料理人という素敵な肩書きをもつ竹花いち子さんが、こころのゲストと呼ぶ大好きな人たちへ向けた100のラブレター。ラブレターの形はお料理。思い出がある人にはそこから生まれたお料理を。未だ会ったことがない人にはいち子さんが思うその人のイメージをたっぷり込めて。使う材料から味付け、ビジュアルにまで相手に想いを巡らせ、作る過程を楽しむいち子さんの姿勢は眺めているだけでワクワクする。まるで絵本の中から飛び出してきたような夢のお料理は簡単にはできないけれど、誰かを想うことで素敵なものを作ることができる、そんないち子さんの姿勢にとても憧れてしまう。
自由な料理人という素敵な肩書きをもつ竹花いち子さんが、こころのゲストと呼ぶ大好きな人たちへ向けた100のラブレター。ラブレターの形はお料理。思い出がある人にはそこから生まれたお料理を。未だ会ったことがない人にはいち子さんが思うその人のイメージをたっぷり込めて。使う材料から味付け、ビジュアルにまで相手に想いを巡らせ、作る過程を楽しむいち子さんの姿勢は眺めているだけでワクワクする。まるで絵本の中から飛び出してきたような夢のお料理は簡単にはできないけれど、誰かを想うことで素敵なものを作ることができる、そんないち子さんの姿勢にとても憧れてしまう。

小谷実由
ファッション誌やカタログ・広告を中心に、モデル業や執筆業で活躍。一方で、さまざまな作家やクリエイターたちとの企画にも取り組む。猫と純喫茶をこよなく愛する。愛称はおみゆ。著書にエッセイ集『隙間時間』『集めずにはいられない』(ループ舎)。J-WAVE original podcast「おみゆの好き蒐集倶楽部」のナビゲーターを務める。
https://www.instagram.com/omiyuno/
※該当書籍の取り扱いは各店舗へお問い合わせください
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※該当書籍の取り扱いは各店舗へお問い合わせください
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