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「好き」があふれる新しいストリートアート。夏に向かい変化していくシーズンディスプレイ

2026.06.22

2026年5月7日(木)から7月15日(水)まで、ルミネ各館でシーズンディスプレイが展開されています。今回のテーマは「Patchwork District -都市を編む、文化を纏う」。55日の展示期間中、季節の移ろいにあわせてデザインも変化していくという試みも行います。
デザインを担当したのは、ディスプレイデザインや空間設計などを手がけているデザインムジカの安藤僚子さん。テーマの解釈や見どころについて伺いました。

大都市・東京ならではのミックスカルチャー

「Patchwork District -都市を編む、文化を纏う」というテーマを受け、まず「都市」というキーワードに注目したという安藤さん。「ルミネがあるのは東京を中心にした首都圏。私も住んでいながらいつも思うのは、『東京って本当に大きい都市だな』ということです」と話します。

「大都市にはたくさんの人がいて、いろんな文化があることを前向きに捉えたいと思っていたので、『都市を編む、文化を纏う』というテーマはまさにルミネにぴったりだと感じました。また、デザインの参考に提示していただいたテーマカラーは原色に近いビビッドな色でした。そこで、多様な文化を夏らしく、エネルギッシュにミックスしていくイメージを表現したいと考えたんです」

都市ならではのミックスカルチャーとして安藤さんが思い浮かべたのは、ストリートカルチャーでした。

近年では、ファッションの領域でもストリートスタイルは欠かせない存在。「既存の概念にとらわれず、自分の好きな要素を取り入れてミックスしていくというところは、ルミネの2026年春夏のシーズンビジョンである『The Playful Shift -遊びがあってこそ、人生』の“遊び”にも通じるんじゃないかなと思いました」と安藤さんは話します。
こうして、「都市とストリート」をコンセプトにしたデザインを検討していきました。

イラストをちりばめた新しいストリートアート

安藤さんは、ウィンドウの空間を室内ではなく“路上の延長”ととらえ、街角の風景をつくり出したいと考えました。まずは建物の外壁をイメージしたレンガ柄の壁をしつらえ、そこにグラフィティのようなストリートアートの要素を取り入れることに。公共空間に自分の主張を描くストリートアートというと、無骨でエネルギッシュな印象がありますが、今回は少し違った方向性を目指したといいます。
そのために起用されたのが、イラストレーターのリダヲさんでした。

「リダヲさんは、普通のノートや不要になったダンボールなど、身近なものをキャンパスに、ライフワークとして膨大な量のイラストを描いているイラストレーターさんです。彼女のイラストは、主張を力強く表現したグラフィティとは違い、日常のなかで自分が心から好きだと感じたものを切り取って描いている印象。きわめてパーソナルで、柔らかい視点があると思っています。

そういうイラストが街に飛び出していくさまを表現できたら、東京という都市のなかに、これまでとは違った形のストリートアートをつくり出せるのではないかと考えました。それで、ウィンドウのなかにつくった街角の風景に、リダヲさんのイラストをたくさんちりばめてみることにしたんです」

今回使用したイラストは、リダヲさんが日常のなかで描きためたスケッチのなかからセレクトされました。統一されたテーマではなく、あくまで自由で、雑多な作品たち。安藤さんは、リダヲさんに送ってもらった大量の作品を眺め、選んでいく時間こそが「今回の制作のハイライト」だと話します。

「リダヲさんからすごい量のスケッチが届いて、とにかく圧倒されました。描かれているモチーフは、好きな食べ物や動物などたわいないものだったりするのですが、どれもリダヲさんが好きなもので、一つひとつに愛があふれているというか……それらがウィンドウにちりばめられたら、見る人も幸せな気分になりそうだなと感じたんです。

同じ紙のなかに全然関係のない絵がたくさん描いてあったり、一部に色が塗られていたり、はみ出していたり、紙の裏からペンがにじんでいたりするアナログ感も楽しい。どれも捨て難く、そのなかから特にかわいいと思うものを選ぶのは、大変ながらも本当に楽しい作業でした。作品はスキャンし、どれも大きく拡大して使用しているので、そのスケールアウト感もまたおもしろいと思います」

どんどん盛られ、上書きされていく楽しさ

また今回は、55日間のなかでデザインを変化させることも大きなポイントでした。安藤さんが考えたのは、グラフィティやステッカーがどんどん上書きされていくストリートアートのように、イラストが追加されていくというアイデア。展示期間中に2回ほどイラストが追加され、全部で3段階の変化を楽しむことができます。

「1段階目のままでも、普通だったらにぎやかな印象になるくらい要素は詰まっていますが、さらにどんどん盛っていきました。壁面だけでなく、小道具として置くカラーコーンやバケツにもイラストが増えていきます。自分でも『まだまだ入るな』と、歯止めが効かなくなってしまったところがありますね(笑)。そんなふうに、バランスを考えすぎずに思いきってデザインできたことが、今回の良さのひとつになっていると思います」

最後に、ウィンドウを見た人にどのような気持ちになってほしいかをあらためて聞くと、安藤さんはこう語りました。

「今回はストリートを意識したデザインです。ストリートカルチャーやストリートファッションの原点には、既存の概念に固執せず、型にはまらない、自由な精神があると思いますが、リダヲさんの絵にもそれがすごく感じられるんです。

ウィンドウを通して、自分の好きなものを、上手い・下手に関係なく思いきり描くことの幸福感や気持ちよさを感じてもらえるはず。そのことが、夏のファッションを楽しんだり、夏に向けて暮らしを少しだけ変えていく勇気をもらえることにもつながるかもしれません。『私も自由な精神を取り入れて、暑い夏を前向きに乗り切りたいな』と、見る人にとってプラスに働いてくれると良いですね」

展示期間中は、デザインの変化に加えて、ディスプレイされる洋服も何度か入れ替えられる予定。季節の変化に呼応するように変わっていく様子は、夏に向けて気分を盛り上げてくれそうです。


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期間/2026年5月7日(木)~7月15日(水)予定
ウィンドウテーマ/Patchwork District -都市を編む、文化を纏う
実施館/ルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ルミネ有楽町、ルミネ北千住、ルミネ池袋、ルミネ立川、ルミネ町田、ルミネ荻窪、ルミネ大宮、ルミネ横浜

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Art Direction & Design/デザインムジカ 安藤僚子
Illustration/Ridawo @ri_da_wo


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