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LUMINE meets ART PROJECT

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2026.03.27LUMINE meets ART

meets ART story #24

  • #INTERVIEW

オートクチュールの職人への憧れが転じて、現代アートの世界へ。
「好き」を動力に独自の道を走り続けるMona Sugata

糊で硬くしたシーチング生地にアクリル絵の具で着彩し、針金やコテで立体感を出したパーツを組み合わせるという、独自の手法で作品を制作しているMona Sugataさん。現在のスタイルに至ったきっかけは、美大に通っていた頃にたまたま観た一本の映画だった。

「海外旅行に向かう飛行機の中で『サイン・シャネル』という、シャネルのオートクチュールコレクションの舞台裏をとらえたドキュメンタリー映画を観て。職人さんたちの細かい手作業が美しいパーツを生み出す様子にときめきました」

裏方への憧れから、大学卒業後はティファニーに入社し、ジュエリーに文字入れを行う手彫り職人の道に進む。その後、結婚、出産を経て、子育てなどを理由に退職。空き時間を活用して、2020年から布花づくりを始めた。

「コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたこともあり、オートクチュールの工房の様子を撮影した動画をよく観ていたんです。そうしたら、布花づくり専用のコテの使い方やカギ針を使うリュネビル刺繍の技法などが見よう見まねでできるようになって」

当初はファッションアイテムを制作して販売していたが、「売れるかどうかを意識せず、ひたすら純粋にものづくりに取り組みたい」という思いから、現在の手法で自然界をモチーフにしたアート作品を手がけるように。24年、スパイラル主催のアートフェスティバル「SICF25」のEXHIBITION部門でグランプリを獲得。25年にはルミネのアートフェアに出展し、審査員賞を受賞した。自身の飛躍を「やると決めたら自然と道が開けた」と振り返る。

「迷いや怖さを感じるときもあるけれど、かといってやらないのではなく、動きを止めない。すると、人とのご縁が広がって、思いがけない場所へと連れていってくれるんだなと感じています」

展示などの発表の場で心がけているのは、見る人がリラックスできること。例えば、ルミネのアートフェアでは、新宿という情報があふれる街でふと立ち止まれるような空間づくりを意識したという。

「誰もが気持ちよく感じられて、『こういう花、見たことあるかも』など、自分の内側に似たものを見つけられるような。呼吸がおのずと深くなっていく空間、そして作品づくりを目指しています」

作品イメージ

夫と2人の子どもと暮らす自宅の一室をアトリエに。

作品イメージ

生地に布花専用のコテで角度をつけ、立体感を出す。

作品イメージ

熊手をイメージした《Pillar of Prayer “Kumade”》など、「祈りの対象」をテーマにシンメトリーな作品を制作。植物や昆虫、惑星といった自然界のモチーフを選ぶのは、アニミズムへの共感から。

Text: Kaori Shimura Photo: Hiromi Furusato Design: Satoko Miyakoshi Edit: Sayuri Kobayashi Planning: AERA AD section

※本記事は2026年3月23日に『AERA』に掲載された記事を再編集しております。
※情報は記事公開時点のもので、変更になることがございます。

  • LUMINE meets ART PROJECT

    LUMINE meets ART PROJECT
    アートと人々の未来の地図を描くプロジェクト。
    お客さまの日々の生活を豊かにする「アートのある毎日」を提案。
    ルミネ館内における展示や、暮らしに取り入れやすい作品を揃えたアートフェアの開催など、アートとの自由な出合いの場を創出します。