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LUMINE meets ART PROJECT

メインビジュアル

2021.03.15NEWoMan meets ART

NEWoMan YOKOHAMA × The Chain Museum
1F・2Fアートスペースがリニューアル

  • #DISPLAY

NEWoMan YOKOHAMA × The Chain Museumがつくるアートスペース「Wall Street Museum」。
開業コンセプト「STORY…ING」を基に、企画・キュレーション・ディレクションしたアートを館内1・2F壁面にて常設で展示しております。
今回の展示では、1Fでは大矢真梨子さん、2Fでは小谷くるみさん、品川はるなさん、榎本マリコさんの計4組の個性あふれる作品でこの空間を彩っていただきました。

  • 期間
    2021年2月18日~
  • 場所
    ニュウマン横浜 1F ・2F壁面

1F 『Spinout Hours ~失われた2時間~』

1F壁面ミュージアムの展示作品のテーマは『Spinout Hours ~失われた2時間~』
The Chain Museumの遠山正道さんが作家として時計作品を作り、その問いかけをテーマに写真家 大矢真梨子さんが横浜をめぐり答えを模索する写真作品。
揺れ動く水面に過ぎ去っていく過去と不確実な未来投影し、時の経過によって曖昧になる記憶のもつれを可視化しました。

『Spinout Hours ~失われた2時間~』
The Chain Museum×MARIKO OHYA

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テクノロジーが発達して、人間は暗算などの基本能力をいとも簡単に退化させた。あらゆるものを合理的に単純化させた結果、12進法の時計も10進法に変更した。弾き出された2時間に、非合理があった。失われた2時間にあなたは何を思いますか?

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Concept

「失われてしまった2時間に思うのは、今日までの私」
今見る景色は今日までの私の記憶。
これまで見てきたどんな歓びもどんなに哀しみも、
なにひとつ無駄なことなんてなかった。
混沌と、揺らぐ、でも私だけに特別に美しい。

2F 『(Im)perfect surface』

2F壁面ミュージアムの展示作品のテーマは『(Im)perfect surface』。榎本マリコさん、小谷くるみさん、品川はるなさんを迎え、三者三様の作品を展開しております。キュレーションは、The Chain Museum 齋木優城さんが担当しました。

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夜が明ける Daybreak
榎本マリコ

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榎本マリコさんが描く人物像がこの空間に登場したとき、それはまるで「鏡」のように機能します。
この「鏡」に映っているのは、いつもの自分ではありません。人物の顔に覆いかぶさるイメージは、
不気味さや脆さであると同時に、美しさあこがれの象徴でもあります。

Concept

描いているのは“今”を生きている私たち。
ずっと続く寒く暗い雨に打たれているような“今”。
それでも私たちは時間や場所を超えられる想像力を持っている。
憧れた美しさや強さを鎧に、強くなくていいから、ただそこにいてほしいと思う。

21g
小谷くるみ

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小谷くるみさんは平坦だったはずの空間に「窓」を作り出しました。窓の向こう側にぼんやりと見える不思議な景色は、この作品を見たあなたが向かう未来でしょうか、それともこれまで歩んできた過去なのでしょうか。

Concept

作品のテーマは、時間・痕跡・気配。本展では、オカルトやホラーへの興味から着想を得た「21g」シリーズを発表しています。このシリーズにおいては、画面全体が「窓」として想定され、結露したガラスの表面に何者かが触れた痕跡が残されています。

Peel off the paint
品川 はるな

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品川はるなさんは、表面のように見えていた空間が「裏側」へと変わる瞬間を見せつけます。ものいわぬ凧だと信じて疑わなかった表面が、その「裏側」にある表情を見せるとき、既存の視点やステレオタイプはあっさりと転覆させられます。

Concept

チューブから出された絵具は、支持体に定着することで画面の中で制作者のイメージするものへと変化していきます。『Peel off the paint』シリーズはあえて絵具をキャンバスに定着させないという手法を試みました。

  • プロフィール写真

    Mariko Oya
    大矢真梨子/1983年愛知県生まれ。日本大学芸術学研究科映像芸術専攻博士前期課程修了。
    自分自身と対峙しながら内なる感情を光として表現した作品を発表する一方で、広告などにも活躍の場を広げています。
  • プロフィール写真

    Kurumi Kotani
    小谷くるみ/1994年大阪生まれ。2019年京都造形芸術大学修士課程修了。
    「存在の痕跡」をテーマに、結露した窓ガラスのようなペインティングを展開。神秘的、超自然的な現象に着想を得ています。
  • プロフィール写真

    Haruna Shinagawa
    品川はるな/1995年東京都生まれ。東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業。
    アクリル絵の具と剥離性のポリエチレンクロスを用いることによって、キャンバスから色面の膜の一部を引き剥がし、独特の表情を作り出します。
  • プロフィール写真

    Mariko Enomoto
    榎本マリコ/1982年埼玉県生まれ。
    ファッションを学んだ後、独学でアーティストとしてのキャリアをスタート。雑誌の挿画やミュージシャンのCDデザインなどを中心に活躍しています。

最後に

2020年は、様々な混乱と行き場のない閉塞感にあふれた年でした。おそらく誰にとっても、完璧な1年ではなかったのではないでしょうか。しかし、アーティストたちは各々のイマジネーションをもって、そんな現実に立ち向かってきました。
アーティストを通じて紡ぎだされるストーリーは、鑑賞者の心に静かに訴えかけます。
この壁の前にふと立ち止まることで、これまで気づいていなかった新たな自分を発見できるかもしれません。